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生垣にある隙間からから覗いてみるとジークリオン様が眼鏡をかけたブロンドの美人さんと一緒に受付の騎士様に問いかけていました。
「リリアンが来たと聞いたのだが・・・。どこに?」
「は、なんでもついさっきふらふらと出て行ったと・・・。」
「ねえ、それ本当にリリアン嬢なのかしら?」
「どういうことだ?」
「最近駆け込みが多いのよね。大体その子黒髪だったんでしょ?リリアン嬢は栗色なんだから別人よ、別人。あたしのセンサーに引っかからないわけないんだから。ジークリオン様には女なんていらないでしょー?あ・た・し・が・い・る・ん・だ・か・ら。」
「まあ、そうだな。ほかの女なんていらないな。」
「またそんな言い方をする。愛想つかされても知りませんよ。」
「大丈夫だろ?な?カレン。」
わっはっはっはっは~なんてその場で仲良く笑ってやり取りしているジークリオン様と謎の美女さん、受付の騎士様は生垣の穴からまさか本人が覗いているなんて思っていないようで、楽しそうにやり取りをしています。
ここから覗いてみているだけでもジークリオン様はいつもとは違う表情をたくさん見せてくれました。
楽し気に話したと思ったらにやりと笑ってみたり、美女に抱き着かれてにやけてみたり、みたり・・・。
ここに来たかいがありました。
「リリー?どうした?殺気らしきものをまとっているぞ。」
「大丈夫です。」
あまりに低い声が出たのでシルフィ様は後ずさっています。
「チョット、その、さ、散歩してくるナ!何かあったらスグ呼べよ!ハ、ハ、ハハハ」
「わかりましたわ。お、ほほほほほ~」
いけません、顔が引きつってしまいます。自分の頬に手を当ててむにゅむにゅマッサージをしているとすぐ近くでジークリオン様の声がしました。
「おい、そこにいるのは誰だ?」
「!!」
かけられた声にあわてて生垣から離れようと背を向けた瞬間、生垣の上からジークリオン様に見られてしまいました。
捕まってしまわないようにそのまま私の中での猛スピードで走りだしました。無我夢中でめちゃくちゃに走り回ったせいで、気付くと薄暗い路地に立っています。
これはまずいかもしれません。治安が悪い地域に入り込んでしまったかしらと、きょろきょろとしていると、数人の男性の話し声とバタバタという足音が聞こえてきます。どうやら人を探しているようです。
「おい、いたか?」
「いや、こっちにはいない。そっちは?」
「いないな。黒髪のお嬢なんてこんなところにいるのか?」
「ああ、迷い込んだか、逃げ込んだか。わからないが早急に捕まろとのお達しだ。」
「まったく、旦那は人使いが荒・・い・。」
とっさに路地の角に隠れましたが、こっそりと覗いていたのがバレてしまいました。ごつくて怖い顔をしたおじさまと目が合ったのです。叫びたい気持ちを抑えて狭い通路に入り込みます。ぐいぐい強引に体を通して通路の反対側を目指します。
「おい、まてっ!」
「ちっ!狭すぎて体が入らねぇ。」
「誰か旦那に報告だ!」
旦那さんとはどなたでしょう。どうやら私を探しているらしいですが、今は捕まっている暇はないんです。早くシルフィ様と合流をしなければ。
『シ、シルフィ様あ~』
心の中で念じます。
『おお~ドウシタ?今行くゾー』
呼びかけに反応していただいたので安心しましたが、
『あ~~~~~。ちょっと用事がデキタ。少し一人で頑張ってクレ。』
ええ?シルフィ様!こんなところまでリンゼイ兄様に似なくてもいいのにー!




