安息の1日
沙葉と申します。
今回かなり長くなってしまったかと思います。
今まで一話の長さを決めていなかったので、
今回の話から大体5000字程度で書いていこうと思っています!!!
それではどうぞ下記から本編でございます。相変わらず文章力がないのですが、楽しんでいただけたらと思って書いています。
「───さて、お次は誰ですか?」
ココはキリのいいところで自分の刀談を終えると(周りが引いているのでやめた)ムラマサをダガーナイフに形状変化させ、生徒達に向けた。
俺はまだ負けてはいない。しかし、体の節々が痛い。恐らくさっきのムラマサの衝撃で骨のどこかが折れたのたろう。背中から地面に行ったので恐らく背骨である。俺は自らの存在を主張するべく「待て!」と叫んだ。
「俺....の、ブレスレットは.....ま、まだ....壊れてない。まだ、戦える.....。」
「貴方。これは模擬戦闘ですよ?そんなボロボロになったんじゃ実践よりも酷いことに──」
「俺は負けたくな──ぐぁあっ!」
ココの言葉に重ねて虚勢を張って言葉を発している途中切られたというよりはハンマーのような一撃で吹っ飛ばされた。ちょ、ちょっと待て確かここまで15m位離れてたのに......ココは一体何をしたというのだ。
「もうこの時点で敗北は決まっているでしょう。いつまでも虚勢を張ってたのでは、私も容赦しませんよ。」
ココの声は冷酷さを帯び、その冷酷さは校庭にいる生徒たちをも震え上がらせていた。ブレスレットはあと一撃ぐらいで壊れる程度である。
「俺は....ま..だや、る。」
「先生!いくらブレスレットが壊れてなくたってあんなボロボロじゃっ!!このままじゃ死んじゃうよぉ...!!」
メリーが俺を退却させたい一心で先生に話した。しかし
「大丈夫だ。よく見ろ。目が死んでない。まだやれる。」
いやいやいやいやいやいや!!!話が噛み合ってないから!!
俺は今にも気絶し倒れそうな体を持ち上げ武器を生成する。さきほどまでの攻撃を見た俺だ。何度も同じ攻撃は喰らう気はない。
「ほう.....その我慢強さだけは認めます。でもそんなの所詮は無駄な努力でしかないのですよ。」
ココは再び高速移動を行い再び開いた10mの間合いを一瞬で詰めようとする。
全身をイメージしろ。ボロボロになった体の節々を『想像』で補強できるはずだ.....。
俺は自らの想像に体を任せ心を落ち着かせる。応急処置程度しかできないけど....治せるはずだ。
団長は片手にムラマサを持ち、俺の首に切りにいこうとしている。良く見たら刀の峰にはブースターらしきものがついている。どうやらこれが団長の一撃の吹っ飛びの源らしい。
「だぁっ!」
迫ってきた団長の一撃を受け止める。重い。こんなのまともに受けたらそりゃ吹っ飛ぶわ。
「──貴方まさか。体を想像で回復させましたね?」
「それだけじゃこの一撃は受け止められないよ」
「先ほどの一撃は受け止めてたじゃないですかぁ。」
確かに、団長の言う通り。俺は体を補強した。だが、それだけではない。
「俺の後ろ。見てみろ。」
「後ろ.......え....?そんなところに壁なんか....」
俺の後ろには俺と同じ程度の大きさの壁。俺が生成したタダの『壁』である。
俺は壁に力を受け流しそのままムラマサを受け止めていた。もう吹っ飛ぶのは嫌なんだ。
体も補強しているから痛みは全くない。ただこれのせいで身体が光っているように見えるのが目立って嫌なのだが。
「その程度の子供騙し。私に通用すると思って?」
か、刀が...俺の剣に、食い込んでる.....。このまま切り裂く気か!
「.....ぐぅぁっ!.....でも.....諦めてたまるかぁあ!!!」
俺は持っている武器を消滅させないように注意しながら壁を実体から消滅させた後、頭を屈め慎重に剣の形状をハンマー型にしてココのムラマサの剣撃を受け流し、俺にのしかかってきた力をそのまま回転して
「うおおおおああああっ!!!」
ぶつけにいった。ココの渾身の一撃を、遠心力を利用して下から突き飛ばす。ココはわかっていたかのように咄嗟に盾を出すが
「きゃっ!」
威力はムラマサの一撃に劣っているものの、ハンマーで吹き飛ばしているので、当然。盾もろとも上に弧を描くように思いきり吹っ飛んだ。飛んでいる最中。彼女は「やっぱりこうでなくてはっ」というと頭を地に向け、そのまま足で空中を蹴るようにメロに向かって降下していく。
「なっ、ふ、吹っ飛ばしたはずじゃ.....っ」
「想像武具戦ではいかに早く武具を想成させ機転を効かせ使うかなのですよ。残念でしたね。」
団長は何言ってるんだ...?い、いるさ...ろーじぇ?そう...せい?
「ムラマサ.....私にもっと力を....!」
変な言葉に気にしてる場合ではなかった!!
ココは落下時の力で思いきり体重をかけてメロに今度こそ渾身の一撃をお見舞しようとしている。ムラマサは眩い光を放ち妖しく光っている。
「待て待て待て待て!こんなの食らったら今度こそやばいぞ!!」
受け止めたら持っていた武器はムラマサにより破壊され、恐らくブレスレットがなければ体は真っ2つに引き裂かれ地球まで悲鳴をあげるであろう。
メロの頭は混乱とパニックでまともにまわっていない。いくら想像武具といえどこんなのまともに喰らったら流石に危険だ。
「う、うわぁああああああああああっ!!」
もうダメだと思ったその瞬間。ココの脇腹に向かって一線の光が飛んできた。
「っけ!」
すかさず体を回転させマサムネでその光を弾いた。
───彼女はこの時。油断していたであろう。
まず、彼女が光を弾く前まで、その動作は『攻撃の流れ』であったこと。そしてそれを弾いた事によって『攻撃の流れ』をキャンセルさせてしまったこと。
さらには真正面には攻撃の対象であった『彼』がいたこと。
「きゃあああああああああああああ!!!」
メロの存在に気づかぬままココは慌てふためいて着ていたセーラー服をすぐさま衝撃緩和用のもこもこに形状変化させた。
そしてそのままメロにめがけて
「いっだああああああああああああっ!!!」
ぶつかった。
悲鳴が鳴り響く。強いていうならココが思いきりメロにぶつかったのだ。
「いったたたた.....ふぅ.....あっ////」
「いたたたたぁ.....ったく.....なんだよ....も.....うわぁ!」
俺はなぜ驚いたか。この時会場は恐らく静寂に包まれていたであろう。 ココを包んでいた衝撃緩和用のもこもこは形をなくし
ココは下着姿で俺にもたれかかる様な形で横たわっていたのだ。
「お、お前なんて格好でいるんだよ!!?服は!!??...ぁ....。」
もうだめだ。俺の意識は遠のいていく。そりゃ何回も体を切られ、最後に体当たりときたんじゃあ体が持つ筈がない。かろうじて想像で俺の骨や筋肉は硬さが変化していた為、目立った外傷はないのだが......。
「わ、私の服は想像で作っているの!だだだだって!服の素材だって何でもできるんですから....っ/////」
いいから早く服を想像しろよ.....何て言葉はすでに口に出せず
メロはそのまま気を失った。
「もぉ...メロってば...団長さんにあんな事するとか...もぉおおっ!」
「ん....んんぅ?」
「あっ!メロ!!!起きたの?」
気がつくと、真上には白い光を放つ蛍光灯があった。
「保健室...?い゛だっ゛!!」
体を起き上がらせようとすると何回も吹き飛ばされたせいか全身が悲鳴をあげている。筋肉痛....? そしてなによりとてつもなく頭が熱い。
「なんでテストの日にそんなしちゃうのかな...全くもぉ」
「ご、ごめんっ。メリーって保健委員だっけ?」
「あえ!?あ、いや、その....保健委員はテスト中だから私が代わりに看てるだけで....///」
なぜこいつは頬を赤らめるんだ。ただの幼馴染みだろう頬を赤らめるな頬を。
あまりにもメリーの様子がおかしいので俺はストレートに言い放った。
「さっきからなんで頬を赤らめてんだよお前は。何かあったのか?」
「いやぁ...実はね?メロは気づいた?」
「いつの話だよ。」
「メロが団長様と戦ってるときに何か光ったモノを団長めがけて飛んでこなかった?」
「あぁ。アレのことか。アレなんだったか知ってるのか?」
「実はね。アレはね。」
「うん。」
そこからしばらくの間をおいて彼女は
「実は──────。」
言いかけた瞬間にガラガラと扉を開く音が鳴り響く。
「あ!団長さん!....」
小声でそう言うと
「大丈夫ですかメロさん。さっきは本当に申し訳ございませんでした。」
そう言ってからココは丁寧に扉を締め目の前にある椅子に腰掛けた。
「いえいえ。団長さん。こちらこそすいませんでした。先程は、いっいいっ!!!」
「もぉ.....安静にしなさい!!バカっ!」
ダメだ体がボロボロで全く身動きが取れない。メリーは起きあがろうとするメロを抑える。抑えなくていいよホントに(´・ω・`)
「あの時は私もついカッとなってしまって、いくらブレスレットをしてると言えど下手したら命を落としてましたよ。」
「そんな危ない状況だったのかアレ....」
「貴方は気づいてないようですが、貴方はメリーに助けられたんですよ?」
「え.....?」
一瞬頭がついてこなかった。
いや、待て待て待て待て。もっと大事な事を忘れている気がする.....。
「ところで団長さん。」
「団長じゃなくて『ココ』と呼んでください。私、堅苦しいと良く言われ───。」
「ではなくて、模擬戦闘試験の途───」
模擬戦闘試験の途中だったのに抜け出して良かったのですか?と聴こうとしたのたが、メリーが抱き抱えるようにして俺の口を抑えつけ..
「ふごごごごこごご!(いだだだだだだだ)」
全身が痛い俺は当然のごとく悲鳴をあげる。
「い、いやぁ流石団長さんですよねぇ!隙があったから不意打....メロのこと守ろうと思って放った銃弾を弾くなんてぇ!亜音速のあの弾をホントによく弾きましたよね!」
メリーは焦りながら世間話のようにさっき起きたことを話している。俺は気絶してて覚えてないが。
アレ、銃弾だったのか...俺にも光が見えたのは何故だ?普通亜音速で放たれる小さな弾なんて見えるはずはない。そして俺はそこまで視力は良くない。しかも銃声がならなかったのって.....
「不意打ちなんて卑怯ですね!!ダメですよ!?さらに周りに音が聞こえないようにサイレンサーをつけるなんて。」
「あれ、銃弾は想ぞ────。」
「その話はもぉいいよぉ。ごめんなさい!!!危ないと思って咄嗟にあのようにしてしまったのです。」
メリーはそう言うとうつむいてとても反省していますオーラを醸し出す。
「あれは実体ですよ。発射機構のみ想成したものですね。当たったら本当に致命傷ですよ。私のセーラー服は防弾性に長けているのですが、当然直撃したときの衝撃が痛いので防ぎました。」
にしてもおかしい。
「...にしてもおかしい。」
「何、何がですか?」
『おかしい』と言う単語を思わず声に出さずきはいられなかった
「なぜ銃弾が見えた。普通は時速400m付近の銃弾が見える筈がない。亜音速なんだぞ?」
「そんなの決まっています。」
まさか......
「想像力で五感を強化したのですよ。」
やっぱりか.......。
「五感を強めるなんてできるのか??」
「何言ってるのですか...あなただってしてたでしょう?」
へ.....?
「あの時は体を光らせていましたよね。恐らく自身を想像して傷を無理矢理治していたようですが、あの時あなたの五感まで刺激されていt────」
「だから銃弾が見えたのか。」
「え!?メロまで見えてたの!?」
「おう。」
割って入ってそう納得した俺である。
「よぉ。」
いいタイミングで保健の先生・ダイゴロウのおっちゃんが帰ってきた。
「目立った外傷はないようだし、明後日には自由に体を動かせるだろうよ。病名は『ただの、筋肉痛』だアホ。普段からもっと体を動かせ!」
そう言ってダイゴロウ先生は俺の体をバシバシ叩いた。
「いたたたた!!いや!確かに骨が、ビキって逝ったかと───」
「──レントゲンしっかり見たけどそれはただお前の体が硬いだけだっつうの!!それで普段から柔軟体操しないから.....ようは痛めただけだ。しばらく安静にしろ。」
「うう.....はい。」
なんなくダイゴロウに説得されたメロ。お前先生だろ保健の先生なら言葉遣いどうにかしろってば。
「あ、あともう一個病を抱えているなお前は。」
「そ、それはなんですか?」
「『女々しい病』だ(笑)。団長を10分相手にするくらい強いならもっとなよなよせんと勇ましく、たくましくなりやがれ!あっはっは!!」
「痛いから!!痛いです先生!!いい加減にしろよこので!じゃなくていたいですやめてくださ.ぎいいいやぁあああああああ!!!!」
バンバンバンっと俺の体を叩く。いや!痛い痛い痛い!!!
そんな感じで俺の今日の学校生活は終わった。イメージングテストの結果はABC判定ででるのだが、何分激しい運動をしたのだ。体はもう休ませてくれと何回も何回も言ってくる。相変わらず体は怠く重く痛いが、俺は頑張って家へ帰ることにした。
もちろん。保健室に残って休みたい気持ちを我慢しながら。
今回のお話。楽しんでいただけたでしょうか!?
ダイゴロウ先生だけ名前があるのですが、今のところ適当です。
次回はココの話を中心に盛って行こうと思います。
何分勢いで始めたのですが、このままの勢いで頑張って行こうと思います。
ちなみに、タイトルは近いうちに変えようと思っています(多分今から変えます。)
ご愛読されている皆様。これからもどうぞよろしくお願いします。