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FastStage:滅霊士  作者: ツアンサ
第壱章:滅霊士
6/8

第六話:傀儡少女爆散

滅霊士No.01神乃矢洸騎

《かみのやこうき》


髪:黒髪


年齢:17歳


右目:銀

左目:深紅


神乃矢霊符

《かみのやれいふ》

神の矢を意味する文字や記号が書かれた神乃矢洸騎、専用の霊符。


「……私を忘れては困るわね」


操られる人間達から距離を取った洸騎だが、背後から澪の冷たい声が耳に入った。

「澪……っ!!」


澪の冷たい声が、ジャコと装填音が聞こえ、銀狼を構え自身に向けているのだと言う事に気付いた。


「今度は、神乃矢洸騎。パフォメット様の為に貴様を仕留める」


そう言って、洸騎の足に銀狼の照準を定める。


「………澪」

(……本当に、操られてるんだな)


その洸騎を見る表情は、酷く冷たく、敵としか見られてないと改めて実感する。洸騎は悲し気に澪を見つめた。


「キャハハハハハ!!避けれるかな〜避ければ、後ろの人間達が銃弾の餌食にされちゃうよ〜」


そう無邪気に、洸騎が避ければ人間達は死ぬと言い笑うパフォメット。


「……ぐっ!!」


洸騎が避ければ、後ろの人間達が死に、避けなければ自身が撃ち抜かれ、殺される。だが人間達を死なす訳にはいかない。


「……どうすれば良いんだ!!」


そう、八方塞がりな状況に、洸騎は追い詰められてしまった。


ズガンッ!!


瞬間、後ろの人間達を死なせない為に動けない洸騎に、足を焼かれた様な激痛が突き抜け鮮血が噴き出す。


銀狼が、洸騎の足を撃ち抜いたのだ。


「もう……片足も撃ち抜いてあげるよ。神乃矢洸騎」


ふふふふふと不気味に笑い、洸騎の反対の足に続けて照準を合わせる姿は、容赦なく洸騎の心を傷付ける。


「ぐっ……澪!!」


両足を撃ち抜かれ、只でさえ脇腹を撃ち抜かれた洸騎には、より強力な激痛と化し襲いくる。


(……澪、本当に駄目なのか。俺は澪に殺されるしかないのか)


諦めれない洸騎は、必死に澪を、パフォメットの呪縛から解放する打開策を考える。


「……(どうすれば澪を解放出来る。何か無いのか。何か方法は)」


そう考える間にも、銀狼の照準が、洸騎の足から上に徐々に上がっていく。


「……私達の人形遊びの邪魔さえしなければ、死なずに済んだのにね」


「はっ!!……人形遊び、人形、試してみるか」


(この部屋に置かれた無数の人形が、パフォメットの呪縛に関係してるなら)


澪の言葉に何かを感じ取ったのか、神乃矢霊符を再び構える洸騎。


「…天地陰陽の理に魂は霊と化し姿見せし邪なる者を焼き払え!!」


そして洸騎の詠唱に気付いたパフォメットが冷たく嘲笑う。


「キャハハハハハ!!自棄になったか。人間達を見捨てるんだな」


嘲笑うパフォメットの声を無視し術を発動させる。


「刧霊炎破!!」


洸騎を中心に急激に描かれた魔方陣が、激しき炎を噴き上げる。


「キャハハハハ……っ!!私の人形達が!!」


嘲笑うパフォメットだが、表情が強張った。


そう、洸騎が燃やしたのは、人間でも澪でもない。床に置かれたぬいぐるみを燃やし上げたのだ。


「……うっ、私は何を」


瞬間、澪に変化が起きた。何かを振り払う様に、頭を振る。そして、


「……洸騎」


冷たい表情ではなくなり、何時も洸騎を見る顔に澪は戻った。


そう、パフォメットの支配下から解放されたのだ。


「澪、良かった……」


澪が、パフォメットから支配下に解放された事で落ち着いたのか、洸騎は、そう言って、グラッと倒れてしまう。


「洸騎っ!!」


直ぐに駆け寄り洸騎の身体を支え上げる澪。


「……はっはっ!…良かった。支配下から澪が解放されて」


そう呼吸荒く澪に言うが、顔が青ざめ始めている。


「洸騎っ!!どうして……っ!!」


身体を支えていた澪だが、脇腹に触れる手に、べちょりと生暖かい感触が伝わった。


「……血が流れ出てる。どうして、洸騎が負傷したなら、私が」


其処まで言って澪は気付いた。洸騎は、何て言った。支配下から解放されて良かった。って事はまさか……っ!!

ある一説が脳裡に浮かび、信じたくないと澪の顔に浮かび上がる。


「キャハハハハハ!!気付いたかい。そうさ貴様は、自分自身の武器で、神乃矢洸騎を撃ちやがったのさ。貴様が負傷させたんだよ!!」


一説に辿り着いた澪に、パフォメットが愉快に事実を冷たく容赦なく突き付けた。


「〜〜っっ!!」


認めたくない真実を告げられ、絶望が澪を支配しようとする。


「ざけんなよ……澪を、支配した貴様が…悪いんだよ」


だが絶望が支配するのは無理だった。

意識を失っていた洸騎が、倒れつつも、パフォメットに鋭い眼光を放つ洸騎の声が聞こえたからである。


「洸騎っ!!私、私が御免!!」


意識を一時的とは言え戻した洸騎に涙声で謝る澪。

自分が、仲間を洸騎を負傷させたと言う事実は酷く辛いのだろう。


「……謝るんじゃねぇよ。謝る暇があんなら、負傷する元凶を生み出した野郎を滅しろ。謝るのは、それからだ…」


そう澪に言って、再び意識を失ってしまう洸騎。顔色は、より一層血の気が失せ、猶予が少ないのを感じさせた。


「そうだね。もう少しだけ待っててね、私が元凶の女を滅してやるからね」


そう、倒れる洸騎の顔を撫で、澪は、元凶パフォメットを睨み付けた。


「キャハハハハハ!!私に操られてた女が、私を滅する。超笑えるーキャハハハハハ」


パフォメットは、睨み付ける澪を嘲笑う。

自分に操られてた女が、自分を倒す何て不可能とでも言うかの様に。


「其は、試してみないと分からないわよ」


そう、不敵に言って澪の構えた銀に輝く銀狼が、火を噴いた。


「キャハハハハハ!!何処を狙ってんだよ。私には当たってねぇぞ」


試すってのは失敗な様だなと澪を見て嘲笑うパフォメット。だが


「……何時、私が貴女を狙う何て言ったかしら?」


そう、逆に澪がパフォメットに言って来たのだ。その表情は、上手く行ったと語っている。


「キャハハハハハ!!はったりは止めな!!貴様は、私が支配下に置いてる人間達が居る限り、攻撃出来な……っ!!」


はったりだと決めつけ、狂気の笑みを浮かばせたパフォメット。だが、その表情が、まさか!!と言う表情に歪む。


「そうよ、貴女が思い浮かべてるであろう。私が狙ったのは、貴女が人間を操る糸を切り裂いたのよ」


「この、断切弾でね!!」そう、パフォメットに力強く告げ再び銀狼が火を噴く。


「ぎゃあああ……っ!!おのれ女ー」


その銃弾は、人間と言う盾を失ったパフォメットの身体を撃ち抜き鮮血を噴き上げさせる。

痛みに悲鳴を上げ憎悪を露にするパフォメットに、先程迄の余裕は微塵も感じられない。


「……散々、私を操った挙げ句、洸騎を負傷させる元凶だったんだ。覚悟して貰うよ!!」


新たに装填しパフォメットの頭部に照準が合わされる。


「おのれぇぇえええ!!此で勝ったと思うなよ。必ず、貴様らは血に染まって死ぬんだーキャハハハハハ」


最後に憎悪を込めた言葉を澪に掛けるパフォメット。


「滅されな!!パフォメット」


そして、澪の銀狼がパフォメットの頭部に終止符を撃ち込んだ。


パフォメットの頭部は、銃弾で爆散し床に肉片と共に鮮血を首が噴き上げ床に身体は倒れるのだった。

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