妖刀?なんか中二っぽい・・・
後日、俺、一は重い瞼を持ち上げ、何をすればいいのかを考えていた、
「戦争、ねぇ」おっと無意識に言葉がでた、
それは戦争に出ないといけないらしいことを自覚していたからだろうか、
「とりあえずオリジナルの武器でも欲しいな・・・」
と中二病全開の発言をする直前にドアが空き、
あの中二病台詞を聞かれてしまった様だ、死にたい。
その言葉を聞いてしまったメイドの明香さんは俺に会釈し、
そのまま出て行ってしまった。もしかして姫様に言うつもりなのだろうか、
いやいやそんなことされてたまるか、
いや・・・まぁ大丈夫か、ふと時計を見る、12時13分か、もう昼じゃねぇか、
12時20分、俺、隼は姫様の呼び出しでお姫様の部屋(何か玉座みたいなのが置いてある)に連れられた。
そこで聞かされた言葉は
「勇者様方にお願いがあります。今戦いが起こっている付近に2つの妖刀が納められているという洞窟に行って、それを回収してきてほしいのですが・・・」
とのことだった。詳細としては、
今は長野辺りで交戦中なので今のうちに相手に渡ると厄介になるであろう妖刀
(確か村雨と村正という名前)を回収してきてほしいとの事だった、
あれ?なぜか一が怒っているような恥ずかしがっている様な気がする・・・まぁいいか。
明香さんめ、言いやがったな・・・俺は怒りと羞恥の入り混じったこのアレを何所にどうぶつけていいものか解らなかったのでとりあえずその妖刀とやらを取りに行くことにする・・・
ま、結構嬉しいんだけどな。
夕方5時、例の洞窟とやらに到着し、
一と俺は妖刀を回収すべく懐中電灯を手にし洞窟探索をすることとなった。
とは言っても本来立入禁止になっているだけでここはそこまで深くない洞窟、
故に5分ほど歩くと広い場所に出た。
そしてそこから二つに道が分かれているようだ。
こういう場合一人で行動するのは余りよくないことなのだが、
ちょうど2人いるからと俺達は2手に分かれて行動することになった。
隼が遅い・・・あれから俺は例の村雨を回収し、
鞘に突っ込んだままさっきの広くなっている場所に出てきたわけだが隼が5分ほど出てこない、
正直そこまで長い道では無かったので少し心配になってくるわけである。
そんなときに限ってやばいことっていうのは起こるわけであって、
入口方面から声がするわけである。その内容に聞き耳を立てる。
「ここが例の洞窟だよなぁ~?」
「そうだよ?姫がここにある剣を取ってこいって言ってたんだよね?」
「そうそうなんで隊長の俺らが行かねえといけねぇんだよ~マジでめんどくせえんだけどぉ?」
「暇って言っちゃったんだから仕方ないジャン?ガマンガマン!東京に先手打たれないようにしないと、」
・・・どうやら二人組のようだ。しかも隊長格ときたものだ、これはまずい、
ここには隠れる所がない。しかも隼が戻ってきていない。
これは死んだか・・・そしてその時が来ようとしていた。
足音がだんだん大きくなってくる。一は取り敢えず不意打ちで一人殺ってからもう一人、
と計画を練り、ついにその時が・・・やってこなかった。
切りかかろうとした瞬間、隼の進んだ道の奥から爆発音が轟いたのだった。
俺は噂の妖刀の前に辿りついた。そして妖刀を手に取り、鞘を・・・抜いた。
そして青白く妖艶に光るその刀に見惚れてしまった。気が付くとあれから幾分も経っており、
即座に一の元に戻ろうと
したのだが、何かが気持ち悪い。まるで右手が無いようだ・・・
え?右手が・・・・無い。
そして右手首より先が妖刀村雨と同化している隼の右腕がそこにはあった。