戦争見学だって、ま、死なないならいいけどさ
「・・・どうしたものか、」
「・・どうしたものかなぁ、」
俺達はどうしたらいいかなんて実は心の中ではもう分かっている、
戦うしかないのだ、この状況で帰れる奴がいたらそいつはもう神かミジンコだろう。
生命が賭けにかけられるとその人間は本来の半分も集中できないと言う、
それとは余り関係はないが生命を取られたらどうしても抗えないのが生物だ。
「やるしかないか、」
「・・・そうだな」
俺達は仕方なく決心した。あの姫様のために戦うことを。仕方なく、だ。
「姫様、俺ら戦いますよ。」
姫様に告げる。すると
「ありがとうございます」
と、とてもよろこんでらっしゃるようだ、
そして姫様は言った
「そういえば貴方がたのお名前を聞いていなかったのですが・・・」
俺らは答える、「俺は一で」
「俺は隼です」姫様は数秒何かを考えた挙句言った
「そういえばどちらがどちらか解らないのですけれど、双子なのですか?」
やっぱりつっこんでくるか、と俺はめんどくさそうに答える
「双子じゃねぇっす、隼は俺のクローンなんです。まぁ向こうの世界でカクカクシカジカ」
姫様はとても驚いたように(まぁ当り前か)「え~?そうなんですか~?」
と、オーバーリアクションを取っていた、
「でも困りましたね、これではどちらがどちらか解らないです・・・」
まぁそうだろうな、俺も立場が違えばそうなるわ、などと思いを走らせていると姫様は
「これは名案です!色違いのメッシュ入れればいいんですよ~それならブレスレットとかべたなのと違ってわかりやすいですし、」
と、言った。まぁほかに案があるわけでも無いので
「はぁ、いいですよ」
「いいですよ」
と二人揃って同意した。これで今までごく普通だった俺らの髪の毛に一は左側に青のメッシュを、
隼は右に赤いメッシュを入れることになった、なんだか左右対称で面白い。
それに確かにこれは解りやすいな、うん。気に入った
「で、なのですが、」姫様は言った。
さっそく戦争現場に行って、どのような物か見て来て下さい。今回は闘わなくて良いので、
お願いします。とのことなので、現在戦争中の長野に行くこととなったのだ。
「何かすっごく光ってるんですが、」
と、俺は付き添いで来てくれた東京防衛軍四番隊隊長こと清水さんに言った。
「あぁ、あれは魔法だよ。この世界には数百人に一人位の割合で魔法が使える奴が生まれる。だが、そちらの世界の人間は全員魔力を持っているようだ、それも結構珍しい奴をな、例えば君ら赤青コンビとかね、」
・・・ちょっと待て、なんでそんなに簡単にニックネーム的なかるいノリで赤青コンビっていうだっせぇコンビ名付いてんだよ、
と一は言おうと思ったがそういう雰囲気じゃなかったので口をつぐんでしまった。
「おや?一君ビビったのかい?」清水のテンションが高いんだが
・・・そんな事を考えつつ俺はしっかり返事する
「ビビるわけねぇって、俺こういうの結構好きなんだぜ?」
「・・・あぁそうかいまぁ頑張ってくれや」結構冷たいなこいつ・・・
「で、なのですが、」
姫様は言った。さっそく戦争現場に行って、どのような物か見て来て下さい。
今回は闘わなくて良いので、お願いします。とのことなので、
現在戦争中の岐阜に行くこととなったのだ。
「何かすっごく光ってるんですが、」
と、俺は付き添いで来てくれた東京防衛軍二番隊隊長こと阿立に言った、
「あれか?あれは魔法だ、大体2~250人に一人二人位が使える、」
まぁお前ら赤青コンビも使えるだろうがな、
と補足し、説明を始める、
「魔法は数百人に一人が生まれながら持っている魔力を有効活用したものだ。
魔力のパターンが全員違うしそれに合った魔法しか使えない、
だから魔力を持っていると必ず使えるわけではないんだ、」
「そうなんですかところで阿立さん、」
「なんだ?」
「戦争とか俺好きなんですよ、」
「ははっそうか頑張ってくれよ?勇者さん!」
・・・この人は熱い人のようだ




