僕ら勇者と帰る条件
「えっと、俺ら別にヒーローとかじゃないんですけど・・・」
「いえ、貴方がたが勇者様方ですよ!」
・・・おっと言い切られた、どうしたものか、一は悩む、だってヒーローでも勇者でもねぇし、
というか結局ヒーローなのか勇者なのかわからないんだけど・・・すると隼が口を開いた。
「勇者ってどういうことですか?」
あぁ、お前は勇者派だったか・・・とりあえず俺も言う、
「そうだ、勝手に勇者にされても困るんだが?」
姫さんは困ったように言う。
「でも貴方々は勇者様の証しというか、要するに貴方々が寝ている間に適正検査をしたのですが、貴方々はこの世界の住人ではありませんしとても珍しい魔力をお持ちになられているようですが・・・」
何かわけのわからん事を言っているがまず聞くことがある、
「この世界って、ここはどこだよ。」
「え、東京ですよ?」
・・・東京かよ~・・・超俺らの世界じゃん、
じゃあ何?この子只今絶賛中二病炸裂中な感じなの?
かわいそうに、一生物だよそれ、大人になってからも恥ずかし~ってなるよそれ
・・・まぁそれなら帰れる・・・・・
「え?東京?」
「はい東京です。」
・・・嘘だろ?だって東京に城はないぞ?というかさっき窓から見た感じだと
東京とは思えないレベルで自然に恵まれていたような気がするんですけど・・・
「ここって日本だよね?」
「日本ですよ?」
「ここって地球だよね?」
「地球?そこどこですか?ここは地球?と言う場所ではありませんよ?」
・・・まじか、まじかぁ、まじかぁあ
・・・あ、なるほど、妙に体が軽いと思ったら、
そういうことか、重力のあれね、あとで体重計乗ってみるか・・・
「で、勇者は何をすればいいのですか?」隼が聞く、
「今、東京は戦争中なのです。」
は?意味がわからんどういうことだ?戦争?東京が?日本がじゃなくて?
「・・・どことですか?」
「大阪です。」
「あ、やっぱり?」
姫様が言うにはこうだ、現在大阪と東京は戦争中、理由は大阪が急に攻めてきた、
ということだそうだ。現在の力関係は互角ほどで領地はちょうど西日本と東日本位らしい。
そこで急に大阪軍が強くなったんで調べるとなぜか超強い奴がいる、と
そして勇者を呼び出す儀式?をダメ元すると出てきた、
とそして検査するとこの世界の、人間じゃない、と、
何かマンガの世界っぽいなぁ・・・
まぁそういうのは好きだけど、「ところで姫様の名前は何ていうのですか?」と問う。
するとお姫様は「私は一与、神谷一与です」と答えた。
隼と話し合った結果、戻れるなら戻る、戻れない場合は仕方ない、
という方向で話がついた。ということで、俺たちは姫様の所に話をしに行くことにした。
「姫様、入っても良いですか?」言いつつノックをすると即座に
「いいですよ~」と呑気な返事が聞こえてくる。
俺たちは部屋に入る、そしてそのまま切り出した。
「姫様、俺らって帰れないんですかね?」
すると姫様は単調に言った「元の世界にですか?昔の本には帰れると書いてありますよ?」
「どうやったら帰れますか?」
「特に何をしないといけないというわけではありませんが、あるものを2つ失わないと帰れません。」
俺達は正直嫌な予感がした。やばい気がした。だが恐る恐る耳を傾けつつ尋ねる
「・・・それは、何を?」
姫様は言った、「存・・寿・・・」、と、俺たちが最悪としていた言葉を、すんなりと言ったのだ。
その事に俺達は驚愕した。人間が一番失ってはいけないものだと思ったからだ。
どうやら別世界の住人は頭の構造がおかしいらしい、俺達は聞き直した、
聞き間違いであってほしかったからだ。
だがさっきよりはっきりと、言った、聞きたく無かった言葉を、
「存在と、寿命です」
そして解説を始めた、
「要するに貴方々は誰にも・・・いや何にも認識されず触れれず、死ぬことも無くなります。」と、