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ハイフン  作者: 高夏 浮斗
第一章⑭
48/51

紅い人の憂鬱

一はどうしているだろうか、

俺が病院にいる側だとしたら今頃ちょっと前に起こった不快な思い出でも思い出している頃だろうか。


かく言う俺も騒がしい授業中(授業中なのに何故騒がしいんだよとか突っ込みは無しでお願いしたい)に、

広々とした窓から一が休んでいる病院の屋上を眺めている

理由は一つ、それは看護師、もといナースさんがそこにいるからである。

「一二三、」

先生が何か言っている気がする、

だが今の俺にはナース様を観察する義務がある。

「一二三!」

うるさい、本当にうるさい先生だ。

うお!神風!

白、ピンク、水色、黒?!しかもT?!

良い物を見させていただいた、

いやはや、神様っているんだなぁ~

「一二三隼!!!!」

なんだよ、悦に浸ってる時間さえ寄越さないのかよ・・・ったくこれだから空気の読めないおっさんは嫌いなんだよ・・・

「なんですか?」

「この問題を解きなさい、」

全く、この程度の事で俺の貴重な時間をだな・・・


俺はすらすらと黒板に書かれた数式を解いていく。


そして答えを出し、何も言わずに席へ着いた。

その間にナース様は布団を干し終わったようで、

屋上から姿を消していた。

「・・・糞じじぃめ・・・・・・」

俺は小さな声、(ま、隣には聞こえてるだろうがじじいは耳が遠いので大丈夫だろう)でぶつくさ言いながらノートを開く。

俺はノートを取るのは好きではないが、稀に「暇だ、何となくノートを取ろうかな?」となることがあるのだ。

今日もそんな気分だ。

俺は黒板の左側に書いた自分の数式ではなく、右側に書いてある文章をノートに書き写し始める。


え、と。

祇園精舎の鐘の声、所業無常の響きあ・・・・は?

あれ?古典?あれ?

俺古典のノート取ってたっけ?

俺はノートの表紙を見る。

そこには少し前、自分がマッ○ーで書いた「数学」という文字がある。

どう見ても「数学」と書いてある。

○ッキーで書かれたこの字の感じ、これは俺の字だし・・・

いや、今の授業俺が数学と俺が勝手に勘違いしてただけじゃ・・・

いや、さっき確実に数学と思われる問題を解いたはずだ。

「???」

ま、いいか。


俺は考えるのをやめ、睡眠に着いた。

良い夢が見れそうな気がする・・・・







「・・・三、・・二三、一二三!おい一二三!」


「っち」

「え?なんで先生に向かってあからさまに嫌な顔しながら舌打ちするの!」

「あ~いや、なんでもないです。」

「あるよね?今心地良さそうに寝てたもんねぇ?それが原因だよねぇ?」

心地よさそうだったなら起こすんじゃねーよ、

そう思ったが口には出さない。俺は大人だから。

低能な先生はギャーギャー言っている。

そしてそれに乗じてクラスが騒がしくなる。




あれ?もしかして授業中にうるさいのって俺のせい?

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