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ハイフン  作者: 高夏 浮斗
第一章⑬
47/51

蒼い人の憂鬱

「ふぅ」

一は退屈そうにため息をついた、

そう、一はこの前の任務で爆発に巻き込まれ足の骨が逝ってしまい現在療養中で、

することも特にないので、何かしようかなと思うもやっぱり痛む足を動かしてまで病院内を歩き回ったりましてや学校まで行ったりしようとも思えず、それでも手で何かできるだろう、と思いゲームをするも一人でするのは何となく淋しいし、なによりやりたいわけでもない(というかストーリーが終わってしまっている)ゲームをずっと続けるのは精神的にきついものがあるので結局は何もできないでいる。


要は暇なのである。


「あ~ぁ、何か面白いこと起こらないかなぁ」

そんなことを秋の高い空の下、蒼い翼を持つ少年は口に出して言ってみる、

だが、神は面白いことを用意してはくれなかったようだ

「暇だ・・・」

この少年、とてつもなく暇そうである






「う~っす」

俺はしっかりと、挨拶をする。

俺は今日も学校だ。

一般の生徒と特に変わったことは無いことはなく、

先生には「あれ?今日は一君居ないの?」と聞かれるし

友人である梓紗と槇にも『一(君)は~?』と尋ねられる、

一は本当に人気である、

まぁ、俺も一と同じ顔、同じ身長、さらには同じ性格で同じ感性を持っているわけだが、

やはり他の奴らからすると2人とも居ないとどうも落ち着かないようだ、

俺は一の事を尋ねられるたび「足が折れた」とか「ま、気にすんな」等と、

適当に流し(というかあしらい?)自分の席に着いた。


一は元気にやっているだろうか・・・。

というか暇をどう凌いでいるのだろうか。







「暇だ暇だ暇だ暇だ暇だ~~~~っ!!!!」

本当に何もすることがない上に面白い事も起きない、

何という退屈な時間であろうか。

というか時間の無駄である。

あの仕事が終わって1週間、俺はずっとここで入院している、

ま、明日退院なんですけどね・・・・

などとおもしろくも何ともない、唯の説明を頭の中で流す、

何のためかと言うと貴方達の為である、

貴方達とは貴方達である。

「本当に暇だ・・・。」

神は俺達を見放したか・・・

そう思い俺は窓の外の空を見上げた

「あ・・・・」

看護師、もといナースの方々が屋上で布団をお干しになられている、

それはそれは美人な面々だ。

俺はナースの方々をガン見しながらふと思った。

そういえばこの世界はブスが少ないな・・・と。

失礼な話だが、

この世界では可愛い、綺麗な子とアレな子しかいない。

間がないのだ。

可愛い子は本当に可愛いし、アレな子は本当にアレだ。

そして問題なのはその比率、


可愛い子:アレな子

  8  : 2

この位だ。


この素晴らしき世界!

素晴らしいね、ほんと。

そして余談だが、

皆さんも経験があると思う。

アレな子は自意識が過剰すぎる。

本当にびっくりだ。

アレな子に限って【私恋愛上級者ですよオーラ】を振りまいている。


本当に不可解なことままならない

↑興奮して何言ってるか分からなくなっているようです


この前だって、

俺が電車に乗っていたら、

俺の席の前と右斜め前にアレな子が座ったんだ。

そして左斜め前には可愛い子が座った。

俺は当然可愛いな~と思いつつその可愛い子をチラチラ見てたんだ。

チラ見すんなとか言われても俺が男だから仕方ない。

するとだ。

俺の正面に座っているアレな子が右斜め前に座っているアレな子にこんな事を話し始めたんだ、


「ちょっとぉ~あの前の席に座ってる彼いるじゃ~ん?」

「え?あのちょっとカッコいい系のぉ~?」

「そぉそぉ、彼、チラチラうちの事見てるんだけどぉ」

「うっそマジぃ~?うち、あれくらいの子なら全然オッケーなんだけど~!!」

「うん、ちょっと行ってこようかなぁ~」

「行っちゃいなよマジで、それ絶対あんたに気があるってぇ~」


・・・・・うっぜえええええええええええええええええええええええええええええええ

いや、無いだろ普通、いや常識的に考えたらないだろ普通!

気があるように見えるわけないだろ絶対!

もっと考えろよ自分の顔を!

というかもっと見ろよ自分の顔を!

後、イントネーションがすっげぇうざい、

どうやってんの?その人から反感しか買わない喋りかたどうやってんの?

そう思いつつ俺は堪えた、

もう可愛い子のチラ見も止めた、

俺は歯を食いしばり続けた。

するとあいつらは・・・


「え~マジで?ちょっと行ってこようかなぁ~」


くんな!!!マジでくんな!いや来ないで下さいお願いしますすみません!


「行っちゃいなよ!あんた今フリーでしょ?」


今フリーって、お前ら今までの間違いだろいや来ないで下さいほんと


「じゃあ~なんか作戦とか無い~?」


無駄だろどう考えても、いや嘘です来ないで下さい


「あんた可愛いから普通に行くだけで大丈夫だって~」


醜い!醜い!傷の舐め合いが醜い!


「マジで?じゃ、行って来る~」


いやいやいやいやいや、くんなって、マジでくんなって、

ちょっと誰か・・・


・・・・その時電車が駅に着かなければ俺は死んでいたかもしれない。

ま、降りる予定の駅では無かったんだが、

その上快速まで逃したんだ俺は。

あの時のことは忘れたくても忘れられない。

俺が即座に立ち上がり電車から降りて行ったあと、

俺は電車の中を窓から見たんだ。


そこに広がる空気は異様だった。

笑ってやがる、乗客が笑ってやがるのだ俺の不幸を、

笑ってないのはアレな子二人組だけだ。

他の乗客は全員笑っていた、俺を嘲笑していた。

俺は絶望に打ちひしがれた。





っと、今なんでこんな事を思い出したのかは知らない。

俺は最悪な気分に浸りながらナースさん達を眺める、


すると今まで休んでいた神様がようやく働き始めたかのように神風が吹いた。

ナースさん達のスカートが次々にめくれていく

白、ピンク、水色、黒?!しかもT?!

思わず鼻血を噴き出してしまった・・・


そして俺は鼻血を垂らしながら呟いた






   「病院も悪くはないな・・・」


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