生きることは死なないこと?意味が解らない
「さて、一は何て言ってたか・・・。」
え、と場所はあいつから20mほど離れた場所だ、
俺は一の言っていた通りに動く、
「えっと・・・」
まずは、だ。
俺は小型原子力爆弾か・・・
「えっと、枝に設置設置・・・と。」
で、ワイヤーを小型原子爆弾に通して、と。
それからワイヤーは出来るだけ離れた場所まで延ばし置いておく、
「最後はスコップ、スタンガン、ペットボトル(水500ml入り)持って準備完了、と。」
俺は翼を広げた。
さて、隼は上手い事やってくれるだろうか・・・
ま、何とかなるか・・・
「こっちでいいんだよな、隊長~?」
「あぁ、大丈夫だから黙ってろ」
「うい~」
来たな・・・
さて、作戦開始か。
俺は一番後ろをトボトボ歩いている男に、
いや、男の首筋に
いや、男の総頸動脈にスタンガンを押しつけ「バチッ」っと一発、
まずは一人、
残り三人、
残りの三人がこちらの存在に気付く、
「誰だ!」
「おい大丈夫か!」
「何処にいる!」
俺はスタンガンをワイヤー側の草むらに投げ込む
「ガサッ」
草のすれる音が闇夜に響いた、
「向こうか!」
リーダーと呼ばれていた男の横に立っていた男が走り出した、
計算通りって奴だな、
ブッシャァァァァァァァアアアアアアア
予定通りに男の首が吹き飛ぶ。
これで二人目、
残り二人だ、
「糞っ!嵌められたか!」
と、リーダーとおぼしき男、
「どうしますか?」
と、残ったもう一人の男、
「取りあえず今首を刎ねた物の確認だ、」
「はい、」
「気をつけろ上島!まだ何かあるはずだ」
「はい、」
そう、まだある。
上島と呼ばれた男がワイヤーに向かって近づく、
そしてワイヤーを発見した、
「隊長、ここにワイヤーが張ってあります、」
「っち、そういえばさっき敵は逃げたな、」
「はい、ですが草が擦れる音が一度しか聞こえなかったのですが、」
「なるほど、まだこの辺に居るかもしれないのか、」
お、少しは頭が回るようだ
だが遅い、
俺は魔法陣を展開する、雷属性の魔法陣だ。
魔法陣によって作られた雷を放つ、標的はスコップだ、
そして見事命中、スコップに当たった雷は凄まじい光を放ちながら
ワイヤーを通じて木の枝に達する、
そしてこの木の枝、濡れている。
木の枝が光った瞬間、電力で小型原子力爆弾に引火、
大爆発を起こしたわけだ。
「さて、予定通り爆発したか、」
俺は爆発の十数秒後、スタンガンをバリバリと意味もなく付ける、
俺は一が何を考えているのか知らないためこの行為の意味がわからないが、
何やら重要な事らしい、
その後俺は空を飛び、敵の居る反対方向の草むらにスコップ、スタンガン、を落としていく、
そしてペットボトルの蓋を開け、草むらにダバダバと垂れ流しにしつつ敵とは反対方向にゆっくりと移動する。
俺は予定通りワイヤーの延ばした元へと向かう。
そこから一の連絡を待つこと15秒、一から「今だ!」と言う通信が入ったので、
俺は小型原爆につながっているワイヤーに魔法で電流を流した。
もちろん爆発した。
そこで通信が入る、
「何?ちゃんと爆破したぞ?」
「あぁ、分かってる。でも一応ちゃんと止めを刺しといてくれ」
「りょうかーい」
俺は刀を作る、もちろん魔力でだ。
俺はぴくりとも動かない男の心臓辺りを貫いた
さて、隼は上手いことやってくれるだろうか、
正直なところ俺は元気に動けるような状態では無かった。
爆発に飲み込まれたのだ、
先の爆発により全滅、と言いたいところだが一人残ってしまった。
ま、だがふらついているので特に脅威ではないだろうが。
そう考えている間にも俺の作戦は終わりに近づいていた。
隼の居る場所でバチバチッと電流が光る、
リーダーらしい男はそれを見てどう思うだろうか、
普通あそこには俺達を殺った男がいる、と近づいたりはしないだろう、
何せ今、自分は重傷を負っている。
だがその相手が逃げて行ったら?
俺なら取りあえず敵が誰だか知るために物的証拠を探しに行く、
それは奴も同じだった、
ガサ、ガサ、と草むらの奥へと奥へと逃げて行く音がする。
リーダーらしい男はスタンガンの電気が光った場所へと赴いた。
そして音が止んで15秒、
リーダーの男が爆弾のあたりに到着した。
俺は隼に合図を送る「今だ、」と。
そして爆発を確認、
止めを刺しておいてくれ、という内容の通信をし、
ただ一人スタンガンでの攻撃だったため死なず、気絶しているだけの男をワイヤーで縛り、動けなくする。
そして姫様への連絡、
「一人捕獲しましたがどうしましょう、」
「別に捕獲してもこっちで処分されるだけよ?」
「え?そうなんですか?聞くこととかは?」
「特に無いわ、」
「そうですか、じゃ、こっちで勝手にやります」
「はい、分かりました」
うん、姫様はもうこっちの仕事が終わってる事に気づいてないっぽいですね、
あまりにも速かったし・・・
さて、こっちで処分すると言った以上、ちゃんと処分しないと・・・
「う・・・。」
おっと目を覚ましてしまったようだ。
「お~い」
俺が問いかける
「お前、誰だ!、動けない!何をする!」
・・・何でキレてるんだこいつ・・・
というか何で俺が犯人であることが前提なんだよ、
「いや、俺今ここをジャストなタイミングで通りかかっただけなんだけど・・・」
「え?そうなのか?ちょっと助けてく・・・」
あれ?喋らなくなった
「なんだよ・・・これ。」
あぁ、死体を見つけたらしい
「いや、俺もこの辺で爆発があったから来て見たんだ、酷いざまだな、全く」
「と、取りあえずこのワイヤーをどうにかしてくれ、」
「ん、あぁ。」
「そこの死体の服の中にナイフかなんかあると思う」
「あぁ、分かった。」
俺は首の取れた死体の服の中からナイフを取り出し、
そいつに近寄った、
これは楽しい、どうやって殺そう・・・ふふっ。
「それで俺のワイヤーを切ってくれ!」
「あ、あぁ。」
さてどうしよう、本当にどうしよう。
取りあえず足を刺すか。
俺は無言で男の左太ももにナイフを突き刺した。
もちろんワイヤーを切るようなミスなど犯していない
「っぐ?!」
男は愕然としている、本当に無様なことだ。
「お前っ!何を・・・」
「すみません、間違えました・・・」
「間違えたで人刺して良いわけあるか!」
「いえいえ、俺が間違えたのはあなたを刺したことじゃないですよ?」
「は?」
「いや、良く思いだしたらこれ、俺がやったんでした、(笑)」
「・・・・・・・。」
「いや、すみませんねぇ・・・」
俺はそう言いながら次は右の太ももをナイフで貫いた
「っあ゛ああああ!!!何故こんな事を・・・」
「何となくですよ何となく、俺がしたいと思ったからです。特に意味はありません」
「そんなわけ・・・あるわけないだろ・・・」
「いやいや、ありますよ。したいことをしないと人生楽しめませんよ?」
左肩にナイフを突き立てる
「ほら、何となく左肩を落としたいと思ったから今から左肩を機能しなくしますよ?」
「うぐっ・・・」
俺は左肩の何度も突き刺した、
「止めろ・・・」
「やだな~一人前の大人になって敬語の一つも使えないなんて・・・日本の未来が心配です・・・」
「止めて・・・くれ・・・」
「ハァ、くだらないプライドですね、まだ敬語にしないなんて・・・」
ザクリと右肩をナイフが貫き男が呻く
「そろそろ後一か所で死んじゃいますよ?いいんですか?」
「止めて・・・ください・・・」
「なんですって?聞こえないんですが・・・」
俺は首筋にナイフを当てる
「止めてください!」
男は叫んだ、それはもう無様にだ。
「もうちょっと大きな声で言いましょうよ」
「止めてください!!!」
もう声が裏返っている、この男はどこまで必死なのだろうか、
俺はちょっと気になった、そして気になったら止まらない性格である
「なんでまたそこまで生きようとするんですか?」
俺は問いた、なぜそんなに必死なのか、と
男は答えた、「死ぬのが怖いからだ」と。
俺は落胆した、生きる目的のために生きているのではなかったのだ、この男は。
死なないために生きているのだこの男は。
もし男の答えが素晴らしい答えならば殺さないでおこうと思ったのかもしれない、
だが、つまらない答えだった。
そして男は乞う、生きるためではなく、死なないために。
「助けて下さい!」と。
俺は答えた「嫌だ、」と。
男は絶望した、その時の顔は恐怖と絶望で包まれていた。
それはとても無様で、滑稽だった。
俺は笑った、無様で滑稽な男を、
そしてその無様な男の為に早々にあの世に送ることにした。
「さようなら」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
俺は特に躊躇うことなく心臓にナイフを突き刺した
「やっと終わったか・・・」
「時間を取らせたな、」
「お前どんだけだよ、本当に・・・」
「いや~疲れた!」
「見てるこっちの方が疲れたわ!」
「すまんな、」
「ま、いいわ。そろそろ22時だし、」
「よし、迎えが来るのって何処だっけ?」
「林を抜けて3分くらい歩いたとこだな」
「よし、行くか隼!」
「おうよ!」
どうしてこうなったwwwww