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ハイフン  作者: 高夏 浮斗
第一章⑫
41/51

全面戦争じゃ~い

俺たちが完全に身動きが取れなくなってから5分、

俺たちは大変なことに気付いた。

『俺達って飛べるじゃん』

ハモった、一瞬の狂いも無かった。

という事で俺らは飛んでみる事にした。


一人づつ飛ぶことにする。

一人が翼を展開している間はもう一人はその前に立つ、

翼は大きくて押し出されかねないからだ。

そしていざ俺が飛ぼうとしたのだが、

俺は凄く大事なことを思い出した。

翼出すときって背中が裂けるから超痛いんだっけ・・・。


俺と隼は前に翼を展開した事があったのだが、

酷い事になったのを覚えている。

背中から羽根が生えてきて肩甲骨の辺りの肉が張り裂けたのである。

因みに未だに傷が治まってないっぽいので風呂に入れないのだ。

俺はそんな傷みを無駄に味わいたくはなかった。


「隼、やっぱりお前から飛べよ」

「え?どうしてだよ?」

「何となく?」

「何故疑問形なんだよ」

「まぁ良いじゃん良いじゃん」

「ふぅ、仕方ないな」


計算通りだ。


後はこれでまた痛い目に遭わないといけないのかを観察、

もしそうだとしたら上の換気扇もどきの場所からロープを垂らさせればいい。


「じゃあ、宜しく」

「おう」

隼が翼を展開する。

隼の背中に赤く光る魔法陣が現れる。

俺は今まで翼を展開させるのを見たことが無かったのでとても興味深い。

ジロジロ背中を見ていると隼の背中の魔法陣が一層光を増した。

その瞬間、翼がブワっと広がり、前に立つのを忘れていた俺は展開された翼によって床に押し出されてしまったわけで、

案の定PiPiPiPipiと、アラームの様な警報が鳴り出した。




全く、私の睡眠時間を奪うのはどこの誰だい。

私の部屋は夜中に勝手に何か食べようとする奴を減らすために

アラームが付いている。

食堂で悪さをするとこっちの部屋でアラームが鳴るのだ。

今までは週1程度しかならなかったのに今週は一日だけで2回もなっている。

全くどういう事だ。

私は苛立ちながら隣の部屋へ向かった。

部屋には鍵が掛かっていた。

入って内側から掛けたのだろうか、

これならむしろ好都合だ。

ピッキングで部屋の鍵をかけるのは部屋の鍵を開けるのに比べて数段難しい。

それにアラームが鳴って即座に来たのだ、30秒も経っていないだろう。

よってまだ鍵が閉まっているという事はまだ中に居るはずだ、

私は面倒だと思いつつも、次はどんな馬鹿が馬鹿をやらかしたのか、

どんな馬鹿を見られるのかとウキウキで扉を開けた。





危なかった、

今頃おばちゃんが食堂に入ってくるころだ。

あ、電気がついた。


今俺たちは食堂の向かいに立っている東棟の屋上で食堂を眺めていた。

このお城はカタカナのコの向きを左に90°させた形で建っている。

俺らは警報が鳴った瞬間窓側に逃げ、窓の鍵を開けてそこからfly awayしたのという訳だ。

きっちり窓も閉めたので問題は無い。(まぁ窓の鍵とかチェックされれば終わるんだが)

そして俺たちの感想。

まず翼を展開しても痛くないどころか服すら破けなくなっている事だ、

そして何より速い、凄く速い。

隼が俺を抱えて飛んだのだが俺は息が出来なかった。

まぁ隼が息を出来たと言う事は翼を展開すると何かがあるのだろう。


そんな事を考えながら俺たちは悲愴にまみれた表情で呟いた。

『腹、減ったなぁ・・・。』


 ・・・またハモった。

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