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ハイフン  作者: 高夏 浮斗
第一章⑪
36/51

地球の方の日本では・・・

「糞っ!八条の野郎マジありえねぇ!」

「まぁ、秘密握っちゃったんだし仕方ないんじゃない?」

「いやいや、殺し方ってのがあるじゃん!海とか最悪じゃん!」

「でも海じゃなかったら助けに行けなかったしね」

「ま、感謝してるよ。丞」

俺は現在高校一年である弟、水藤丞に命を助けられ今生きているわけだが、

まぁ、偶然助けられたわけでもないし実を言うと感謝など全くしていない。

「そう?あんまり感謝の表情が窺えないんだけど?」

「今はそんな表情してる余裕がないんだよ、さっきまで海の中だったわけだし」

「その事だけどね、俺も海に飛び込んだわけで寒いんだよ、さっさと帰ろうよ」

「お前そう言えば今日高校は?」

「サボったに決まってるだろ?」

「チッ、ヤンキーかよ」

「いやいや、兄貴のせいだからな?」

「はいはい」

「え?何今の、俺なの?俺が悪いの?」

「わかったわかった帰るぞ?」

「だからその感じ止めろ―――――――――――」



「で、だ。」

「ん?」

「ちゃんと撮ったか?」

「あぁあれね、もちろん。」

「よし、良くやった、取りあえず確認を。」

そして俺らは丞の撮ったビデオを鑑賞するわけだが、

「やっぱり無残だね」

「・・・そうだな」

俺は余りにも無残に海に放りこまれていた。

そしてここで問題が発生する。

「これってYou t〇beとかに上げたらただのネタ動画に見えない?」

「俺も今それ思ったわ」

この映像、結構遠くで撮った為に音声が余り入っていない。

聞こえるのは八条の怒鳴る音(声には聞こえない)と、撮影時に食べていたあんぱんのもしゃもしゃという咀嚼音だけだった、というかなんであんぱんとか喰ってんだよ、

そしてさらに問題が有る、

「というかこれ八条じゃないよな・・・」

「そうそう!なんでこの前行方不明になった人が居るの?というかあの人の名字確か一二三じゃなかったっけ?」

「さすが自慢の弟だ、記憶力が優れているな」

「で、なんで?」

「まぁ、色々あるんだが、まずあいつはこの前行方不明になった奴とは別人だ。」

「マジ?」

「マジ。で、あいつは政府を味方につける科学者なんだ、」

「へー」

「で、だ。ここからが重要なんだが、」

「うん?」

「あいつは多分だが50歳超えたおっさんだ。」

「ええええええええええええええええええ?」

想像通りの反応で少し楽しくなってくる。

「まぁ、見た目は15だけどな、」

「どういうことだ?」

ちょっとテンパっている。面白い。

「あぁ、あいつはその一二三の体に自分の記憶を移し換えたらしい。」

「なんでそんなこと」

「まぁ、100%マジなのかは知らんがな、人間はいつでも不死を求めるんだよ。」

「で、どうすんのさ」

「なにがだ?」

「どうすれば勝ちなのさ、」

「勝ち?」

「言い方を変える、最終目標はなんなのさ」

「そりゃお前、あれだろ」

「どれだよ」

「あの八条は政府とつるんでるわけじゃん?」

「あぁ、そうだね」

「という事は今回の事は政府も容認してるって事じゃん?」

「まぁ、そうなるね」

ここで俺は最終目標を語る。

「今回の事を倫理的な問題があるとして政府に脅しをかける」

「は?」

「で、黙ってやる代わりにと金を巻き上げる」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」

「どうだ?」

「『どうだ?』じゃないよ!そっちの方が倫理的にどうなの?」

「俺は別に国民に支持されないといけないわけじゃないし大丈夫だ」

「あんたって人は・・・」

「まぁいいじゃん」

「良くな―――――――――――――――――――」

その時ニュースが流れる。

『〇〇にお住まいの水藤聡さんが本日午後2時に遺体となって発見されました。』

『尚、この遺体は樹海で発見され腐食が進んでおり、DNA検査され水藤さんと判別されました。』

「良くないか?多分これは俺が沖に流されたと勘違いされてどっかから引っ張ってきた遺体を使ってんだろうな」

「・・・協力するよ」

「ありがとよ」

『葬儀は今日行われる予定です』

「だとよ、準備しろ」

「はいよ、でも俺泣けないんだけど」

「目薬でも持っていけ」

「葬式とかめんどくせぇよ・・・」

Prrrrr

丞の携帯が鳴る

「はい、はい、分りました」

「今日、都内で葬式だとさ」

「うちも金持ちになったねぇ」

「どうせ政府から補助されたんだろうけどね」

「よし、じゃあとりあえず今後の作戦会議を開く」

「はいよ」








 「目標は金だオッケー?」

 「・・・オッケーだ」





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