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ハイフン  作者: 高夏 浮斗
第1章⑩
30/51

「龍だな。」「あぁ、龍だ」

俺たちが戦闘態勢に入った時にはそのグレイト〇ラゴン似の龍は俺たちを敵と認識したのか、爆音の咆哮、もとい雄叫びを上げた。

「雑魚程」

「良く吠える」

『ってな』

俺たちはかっこいいセリフを残し、左右に別れ挟むように攻撃を仕掛けた。

妖刀は使わない。俺らは妖刀より切れ味の良い素材を作成し、その素材の刀でその龍を斬りつける。

『バキリ』と、俺らの素材が砕ける音がした。俺たちの手にはまるで鉄製バットを思い切りコンクリートに打ち付けた時のような感覚が残る。

硬すぎる。龍の鱗は硬すぎた。そこらの鋼なんかより鋭く硬い。そんな素材が一瞬で砕けたのだ。

まぁ、おかげでこいつの鱗が想像出来ないほど硬い事はわかった。

だが、こいつを突破する方法がわからなくなってしまった。

「こいつ、硬いぞ。」

隼も多分わかっているのだろう、こいつを突破するのは超難関であるとわかっているのだろう。

だが、俺たちは勝たないといけない。

「そうだな、逃げるか?金、入らないけど」俺は隼を挑発してみる

「逃げるわけねぇじゃん、金、必要だからな。」

「・・・だよな」

俺たちはもう一度さっきの手順で攻撃を試みる。

失敗。もう一度。失敗。もう一度。失敗。

ここでその龍が「そろそろ俺の出番だな」とでも言いたそうに動き出す。

俺たちはどんな攻撃を仕掛けてくるのか、と、慎重に奴の様子をみる。

奴は2歩、前に出てくると、翼を大きく広げ、羽ばたいた。

それだけのことだったのだが、龍から10mとど離れていた俺たちを2~3mほど吹き飛ばした。

此処の世界の人間なら更に吹き飛んでいたかも知れない。

そして俺らが立ちあがった時には、奴は口から直径70cm程の白い球をこちらに向けて発射していた。

「これ、爆発する奴じゃ・・・」

「っつ、やっば・・・」

俺たちが口を動かしている間にその球は俺らの足元にぶつかった。

そして、俺らの予想通り爆発を起こしたのだが、その爆発の大きさと威力は俺らの予想を大きく上回った。

俺らは、半径1m程の爆発を予想していたのだが、残念、その爆発は半径5m程にまで広がり、その上その爆発の周りを更に半径3m程の爆発が取り囲むように爆発した。

その爆発の爆風などで、俺らは更に5~6m後ろに吹き飛んだ。俺らは抵抗出来ずにその爆発を受けた為、体に相当の負担がかかってしまっただろう。体が痛い。

ただただ痛いなんて生易しいものではない。二度目に吹き飛んだ時、俺らが5~6mしか飛ばなくて済んだのは民家に直撃したからである。その時は半壊だった民家も、ぶつかった衝撃で全壊してしまったのだ。

俺らの肋骨は良い感じに折れているだろう。肋骨でまだ助かった。

もしも足や頭蓋骨が逝ってたら俺らは即座に逃げ帰っただろう。

俺らは手術の費用の事を考えながらよろり、と立ちあがった。

俺には、さっきの手順の失敗から学んだ、奴に攻撃を通す事が出来るであろう考えがあった。

そう、外国にはレイピアという突き刺し専用の武器がある。俺はそれに賭ける事にしたのだ。

隼は隼で何かしら考えているらしい。これで奴に重症を負わせることが出来るはずだ。

隼が走り出す。俺も隼に続いた。



一もついて来ているようだ。よし。これならより確実に奴を殺れるはずだ。

俺の手元にはさっき能力で作った、軟化薬(水分)がある。あいつの鱗にダイヤが含まれているともっと早く気付いていればさっさと駆除出来たのだが、俺が気付いたのは奴が撃ってきたあの変な球が爆発する際、妙にキラキラしているのを確認した時だった。何かの宝石を含んでいたのだろうが、きっとあの硬度の宝石はダイヤしかないだろう。

よって、俺の手の中には軟化薬。もとい炭素分解薬が握られている。

俺は奴の左胸当たりにその液体をぶちまける。俺の仕事はこれで終わり。後は一に任せることにした。



俺の前を走っていた隼は龍に何やら液体をかけたようだ。その0.3秒後に俺が到着し、その液体がかかった部分に、自作レイピアを突き立てた。

綺麗にスルスルと入っていく。何とも快感だった。

俺はそれを突き立てたまま、隼の元へ駆けた。

「あれ、何やったの?」

「あいつの鱗にダイヤが含まれているっぽからな。炭素を分解したんだ。」

「ありがと、助かった。」

「おう!」

俺たちは完全に安心しきっていた。よって後ろに居たもう一匹の龍に気づかなかった。

その龍は俺たちに向かって光線を吐きだした。

それに気付いた時には俺らの周りはイオ〇ズンを強化したような光の爆発に包まれていた。

そして、さっきレイピアを差し込んだ龍もまだ死んで居なかったようで、ムクッと起き上がると、

俺らの方へ向かって歩き出した。




俺たちは重症のまま2体の龍に囲まれた。


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