散々な日曜日、というかかなり惨い
今日は日曜日、俺たちは昼過ぎまで贅沢に睡眠を・・・取れなかった。
AM7:30
「起きてください隼さん!」
昼まで寝るつもりだった俺の脳が明香さんの声を認識した。
「ふぁ・・・どうしたんですか?明香さん」
「Gが!Gが出たんですよ!Gが!」
「はぁ・・・ゴキブリくらい自分で始末してくださ・・・」
今廊下をすっげぇでかい黒い物が横切ったような・・・
「ちょっと一呼んできます。」
「お願いしますー」
ちょ、冗談じゃねぇ、1m30cmはあったぞ今の、
う・・・想像したら吐きそうになって来た。
『ドンドン!』
ドアの方からノックらしきものが聞こえる、
「はいはーい」
俺がドアを開けるとそこには1m30cm位の大きさのゴキブリが居た。
「ガチャ!」
俺は即座にドアを閉め、心を落ち着かせてもう一度ドアを開けた。
そこには・・・
「一!丁度いい所に!」
と言いながら走ってくる俺のクローンが居た。
ゴキブリらしきものは居なかった。
俺は安心して隼に言った。
「さっきめっちゃデカイゴキブリみたいなのみたような気がしたんだけど、気のせいだよな?」
「ん?見たの?それ気のせいじゃなくてゴキブリだぞ?」
俺がゴキブリだとカミングアウトした瞬間、一が吐きそうになっているのが分った。
「とりあえずそいつを殺してこの城に平和を取り戻すぞ!」
「・・・わかった」
一もしぶしぶ手伝ってくれる事になった。
というかさ。と、俺は隼に重要な事を言い忘れたので始める。
「あいつ、めちゃくちゃ早いぞ?」
「え?まじで?」
「あいつ50m位の廊下3秒位で走るし・・・」
俺の部屋は100m廊下の真ん中にある、俺がゴキブリを見てドアを閉じておよそ3秒、
その間に奴は居なくなっていた。もしかしたらもっと早いかもしれない。
「やばくね?それ」
「とりあえず厨房にはドア閉めとくように言っとくか」
俺たちは厨房に向かった。
俺らが厨房まで残り30mほどの場所を歩いていると厨房から悲鳴が聞こえる。
「遅かったか・・・」
俺たちがダッシュで厨房にたどり着いた時にはもう奴は居なかった。
「とりあえずまた来たら厄介なのでドア閉めといて下さい」
「は・・・はい」
俺たちは厨房を後にした。
俺たちが長い廊下を歩いていると上から黒い物が落ちてきた・・・
ん?黒い物?
そこにはゴキブリ(全長130cm)がひっくり返って脚をワシャワシャしていた。
『ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!』
俺たちは絶叫した。俺たちには刺激が強すぎる。
その間にゴキブリはひっくり返ってどこかへ行ってしまった。
想像以上に速い速度で。
「速過ぎだろ・・・と言うか想像以上にきめぇ・・・うぇっ」
「50m2秒位の速さだったな・・・と言うか想像以上にきめぇ・・・うぇっ」
俺たちは本気で吐きかけていた。
「ギャー」
「向こうか・・・仕方ないし行くか」
「そうだな・・・うん」
既に俺たちにやる気なんてものはなかった。
やっぱり間に合わなかったようだ、そこには清水さんが倒れていた。
「どうしようか。」
「このまま追いかけても絶対無理じゃん・・・」
「やっぱり俺らの能力使うしかないな」
「あぁ、そうだな」
所詮俺らの能力なんてレベル1だろうけど、俺たちはやらないといけない、
全然やりたくねぇけど・・・
そこに姫様が通りかかる。
「あら?何をしてらっしゃるの?」
「ゴキブリが出たんで始末しようと思いまして」
「あら・・・それは大変でしょう?」
「正直きついっすね」
「唯の虫退治じゃ余りやる気も出ないでしょうに・・・」
「いやいや、殺る気満々ですよ!」
「そうですか・・・でも、あ!じゃあコレ正式な仕事にしましょう!もちろん報酬もでますよ?」
『俄然殺る気が出て来ました!』
「では、頑張ってください!」
「さぁ報酬もある事だし、本気だすか」
「そうだな、まずはこの廊下片側封鎖してもう片方から入ってくるの待つか・・・」
「オッケ!じゃあやるか!」
---封鎖中---
「これで入ってくるのを待つだけだな」
~5分後~
「来ねぇな」
「うん」
~10分後~
「全然来ねぇな」
「全然だな」
~15分後~
「何で来ないんだろう」
「餌がないからじゃね?」
「隼・・・お前天才だな」
~30分後~
『来ねぇぇぇぇぇええええ!』
「なんでだよ!林檎置いたじゃん!」
「そうだよ!なんでだよ!一もっと林檎を!」
「おう!」
~1時間後~
『・・・・・・・。』
「何で来ないの?林檎10個も置いてるのに・・・」
「全くだ・・・」
~1時間半後~
「ワシャワシャワシャ」
『キタ-------------』
「よっしゃ殺す!絶対殺す!確実に殺す!」
「一!まずは逃げられないように壁作るぞ!」
「殺す殺す殺す・・・おっとそうだった」
すると反対側同様に黒い壁が一瞬にして現れる
『さぁ・・・ぶっ殺すか。』
「しねぇぇぇぇ!」
「ガッ」
「っち、外したか。」
一の突き立てた刀は10cm程深々と床に刺さっていた。
どんだけ怒ってんだよ。
「ドッ!!!」
俺が奴に攻撃を仕掛けようとした瞬間、奴は俺の腹に突進をかましてくる。
「っ痛ぇ・・・」
思ってたより痛い。相当痛い。
「調子乗ってんじゃねぇぞ!虫のくせによぉ!」
隼が奴に一発もらって切れたようだ。俺は奴に向かって刀を超高速で投げつけた。
「ザクリ」と、刀が奴の足に刺さった。
その瞬間隼は奴に逃げられないようにと床ごと奴を刀で貫いた、
その上隼は自作の刀(魔法使用)を5本ほど作り、全部刺した。
隼は夢中になっている為気付いて無いかも知れんが相当グロテスクになっている。
「っおぇ」やばい、マジで吐きそうだ。俺は清掃員を呼んだ。
自分でやりおわてから気付いたがあれは相当グロかった。
一はあの後トイレでマジ吐きしていた。
俺は奴を刺しまくってすっきりしたので、グロかったが吐くまではいかなかった。
精々気分を害した程度だ。
この時今から俺たちに災難が降りかかるとは知らず姫様の元へ向かった。
~その災難~
俺と一の貰った報酬各10万円。
壊した廊下の修理費計30万円。