ドラゴノイドだぜ~
「それでは!今から魔法力検査を行います!」
と、高らかに山内先生が宣言する。周りの生徒も明らかにテンションがいつもと違う。
いつもは7;3分けの生徒が急にワックスガンガンになるレベルだ。
それに比べて俺たちは・・・
「マジか・・・始まったのか・・・」
「嫌だ~本当嫌だ~」
凄く浮きまくりだった。そこに槇と梓沙がやってくる。
「大丈夫ですか?顔色悪いですよ?」
「調子はどぉ?お二人さんっ!」
心なしか、と言うかこいつら確実にテンションが高い。
なぜなら顔から「頑張っちゃうぞ~」的オーラがにじみ出ているからだ。
因みにこの魔法力検査は検査が楽な底辺クラスから行う。
よって、俺たちは朝8時にわざわざ来たのに11時まで待たないといけない。
なので俺たちはパンでも買いに行くか、と槇や梓沙と予定を話し合っていた、その時。
「ピンポンパンポン♪1年のSSクラス一二三一君、隼君、校舎南棟の研究室に来てください。」
この放送と来たもんだ。やれやれ、俺たちは槇と梓沙に研究室に行って来る事を伝え、
まっすぐ研究室がある校舎南棟へと向かった。
「で?ご用は何ですか?」そこにいたのは山内先生だった。
「貴方達の能力についてなんだけど・・・」
俺たちはギクりとした。もしかして落第?俺達が魔法使えるの遅いから落第?
と落第の事しか考えていなかった。
なので先生の発言には大層驚いた。
「貴方達の魔法の詳細が分りました。今から言う事を良く聞いておいてね?」
「え・・・?マジですか?」
「え・・・?マジですか?」
俺たちは相当間抜けな顔をしたであろう。先生がクスクスと笑っていた。
「ふふ、マジよ?じゃぁ説明するわね?」
先生の言ったことを簡単にするとこうだった。
俺らの魔法は空気等(正確には眼で認識できない物)を、物質(眼で認識出来る物)
に変える事が可能な魔法である。平たく言えば、凄い錬金術と言うところだそうだ。
「というか俺らって同じ魔法だったんだな。」
「まぁDNAレベルで同じ人間だからな。」一は自嘲気味に言った。
「え?それってどういう事?」それを先生が聞いてしまったようだ。
俺らはDNAが同じクローンである事は姫様以外誰にも言っていない。
正直言ったところで俺らに得があるわけではないし、騒がれて鬱陶しいからだ。
俺らは先生に言った。
「だって双子ですから。」
「それに一卵性双生児ですから」
「なんだ、クローンとかだったらおもしろかったのに。」
と言う事で助かったようだ。
「それでなんだけど、」先生が続ける。
「魔法の練習は、まず四角い物を出すイメージで練習すると上達が早いはずよ。」
そう言って先生は研究室を後にした。
そこで俺らは一枚にフロッピーを見つける。
それはあの時俺らが研究所から貰って来たデータだった。
「これって・・・」
「あぁ・・・」
『ちょっと位見てもいいよね?』
俺たちはバカだった。
「これって・・・」
「どういうことだ?」
一は、見えていなかったのか顔をPC画面に近づける。
「なんだこれ。」
そこにはこう書かれていた。
龍の持つ魔力を人体に取り込むヒューノマイド型ドラゴン、ドラゴノイド。
研究資料。
龍が持つ魔力は人間の持つ魔力とは違い雑な作りになっている。
故に人体に適応した場合半分の確率で死亡するという理論に到達する。
龍の魔力は主に体内の結晶によって形成される。
それは人間で言う心臓である。それを人体に適用する為には龍を殺害する必要があり、
以下の方法で取りだした結晶の魔力は人体に適応した場合よほどの体力がない限り適応時に死ぬ。
よって、ドラゴノイドを完成させるには龍の魔力と似た作りの魔力を持った人間が必要であり、
その人間が適用時の魔力爆発に耐えられる体でないと行けない事が判明した、
以下は結晶の人体適応の方法↓
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よって我々はこのプロジェクトを不可能とみなし、放棄する。
「ドラゴノイドねぇ・・・」
「さ、さっさと槇達んとこ行くぞ。」
俺たちはフロッピーを元有った場所に戻し、槇と梓沙の元へ向かった。