やばいやばい落第じゃん!
「もうすぐ魔法力検査の日だね~」
「そうだねぇ~」
槇と梓紗が何やら話している。俺と隼は昨日のドッヂボールによる体の痛みに耐えながら槇らに尋ねる、「何だ?魔力検査って」
「それってやっぱり魔力レベルとかいう奴測るの?」
「魔力じゃなくて魔法力を測るんだよ~」
槇・・・意味がわからないぞ・・・
「つまりどういうこと?」
槇に言っても無駄のようなので梓紗に尋ねる。
「魔力って言うのは単純に体の中を巡っている魔法を使うために必要なエネルギーのこと。魔法力はその魔力をどこまで上手く魔法に出来るかかどうかだよ。」
「じゃぁ俺ら」
「無理じゃん」
隼との息はピッタリのようだ。
・・・そんなことより、
「俺らはじゃぁ不合格ってこと?」
それを聞いて槇はなぜか自信満々に言い放った。
「合格とか不合格とかないんだよっ!魔法力測定は自分との戦いなんだから!」
・・・え~と言ってる意味がわからないんですが・・・梓紗さんお願いしますっ!とばかりに梓紗の方に目線を向ける。梓紗は俺の言いたいことが分かってくれたようだ。
「魔法力測定は合否ではなくレベルを計測するんです。」
「レベル?どういうこと?」
「まずレベルは10段階あります。1~10です。数字が大きいほど強いとされています。因みにレベル10ともなろうと、軍の隊長レベルですね。因みに私はレベル4です。」
「あたしもレベル4だよ~」
「それをもうすぐ計測するの?」
「はい。基本的に3か月に1回計測します。」
「・・・魔法が使えない人ってどうなるの?」
「さぁ?わかりません。多分落第とかじゃないかなぁ?
」「・・・マジかよ」
なんだかんだでその二日後!
「やっべぇ、やっべぇぞ・・・」
「魔法ができねぇ・・・」
俺ら二人は半死状態だった。
「明日魔法力検査だってさ~」
「大丈夫?二人とも・・・」
心配してくれるのはうれしいんだけどな・・・やばいな・・・本格的に。
『何か魔法出すコツとかねぇの~?』
俺と一がダメ元で聞いてみると
「あるよ~」という槇の天使のような言葉が俺達に届い・・・
「ってえぇ?あるの?じゃあ最初っから教えてくれよ~」
やった!これで乗り越えられる!試験!
「あるにはあるんだけど・・・ねぇ?梓紗?」
「うん・・・あることにはあるんだけど・・・」
え?何それ恐い・・・
「どうしたんだ?あるなら教えてくれよ」
「・・・何属性の魔法か分かってないと使えないの。」
『・・・終わった。俺らの人生終わった』
これマジでやばいじゃん。本格的にやばいじゃん
「まぁそう悲観的にならずにがんばろーよ!」
『もうタイムリミットギリギリだけどな・・・』
『・・・・・・・・。』
やべぇ。空気が止まった。重いって言うか止まったぞどうしよう・・・
『が・・・頑張ってみるわ!』
『うん!頑張ってね!』
うっわぁ!めっちゃ笑顔だ!もしかして期待されてる!だってめっちゃ笑顔だもん!
『ふぅ・・・』
そして・・・
「それでは!魔法力検査を始めます!」