とりあえず戻って来た日常、でもなんだかいやな予感が、いや気のせいか
俺はまだ冷たいであろう海に兄を救いに行くべく、上の服を脱ぎ、海に飛び込んだ。
「・・・起きねぇなあ」兄を海から引き揚げてから3分、兄が目覚める気配がない。「人工呼吸とか絶対いやだし・・・」さてどうしようか・・・そこで俺はひらめいた!「バシッ!バシッ!バシッ!」そこには兄の頬を一心不乱に叩き続ける弟の姿があった。しかも相当な威力である。
「痛ってえ!っちょっ『バシッ!』うおっ何すんだよ『バシッ!』聞いてるか?起きてる起きて『バシッ!』おいこら!お前『バシッ!』やめ『バシッ!』痛『バシッ!』『バシッ!』『バシッ!』『バシッ!』いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
「おわっ!何だ起きたのか!死んだかと思ったぞ!心配したんだからな!」「言ってる事とやってる事が全然違うよな?というか左ばっかり叩くんじゃねぇ!形が歪になるだろ!」「すまん・・・」こいつは水藤 丞俺の弟で現在大学2年、ルックスは良いが彼女は居ない、何故だ・・・?
「あ、言われた通りに投げ込まれる所、このビデオで撮っといたから、」こいつは仕事が出来る奴だ、きっと完璧にあの八条の所業をビデオに収めた事だろう。「それにしても何時も兄貴は忙しそうだね、さすが社会人、で?報酬は?」あ、こういうとこでモテないんだな、なるほどなるほど、「・・・この作戦が最後まで成功したら2割やる、だから手伝え!」「・・・25%」「欲望の塊だな、お前。まぁ良いだろ、その代わりきっちり働いてもらうぜ?」「了解♪」こうして俺たちの研究所との戦争が始まった。
「やっと着いたか・・・」一はぐったりとしながら今何時だー?、と隼に聞く、「五時だぞもう・・・」二人の意思疎通は完ぺきだった『・・・寝るか』俺たちは布団に入った2秒後にはもう眠りに着いていた。
俺が目を覚ましたのは昼の12時だった、隼はもう起きているのだろうか・・・「ん?12時?」・・・やっべぇぇぇ遅刻だ盛大に遅刻だ超遅刻だ死ぬほど遅刻だ・・・・・・・・・。まぁいいか、やっぱ休むか、心の中で一段落付けると隼を起こしに行くことにした。「コンコン」俺は律義にドアをノックし、返事も待たずドアを開け放った、だがそこには誰も居ず、仕方なくお姫様の部屋へ行き、ノック代わりに「お姫様~?」と口頭ノックという高等テクニックを駆使し、お姫様を呼びだした(高等な口頭ノックとか、ププッ)そこには寒いダジャレで一人盛り上がっている悲しい男が居た。
「は~い」姫様が出てきた、俺は単刀直入に「隼知りません?」と聞くと、「隼様なら30分程前に『やっべぇぇぇ遅刻だ盛大に遅刻だ超遅刻だ死ぬほど遅刻だ』と言いながら学校に行きましたよ?」「マジっすか・・・。」裏切られたぁぁぁぁあ!これは酷い、人間として最低な行為だよ!裏切り!・・・泣きてぇ「・・・じゃぁ俺も行ってくるッス・・・」テンションガタ落ちだ、ガタ落ちだわ・・・「ちょっと待って下さい!」「はい?」「・・・昨日のお給料、弾んどきますね?」「俺の時代がキターーーー」俺はそう叫びながら学校へルンルンモードでスキップしながら向かった。そういやどんな内容だったんだろ・・・まいっか☆そういう気分だった。
俺は驚愕した、たったあれだけの仕事(まぁ死にかけたりしましたが)で500万も貰えるとは思っていなかった、あのフロッピー、なんだか重要な中身だったらしい。そして俺はルンルンモードの都合上、一を起こし忘れてそのまま学校へ向かった。
そして今日は平和な学園生活が本格的に始まる日だった。
昼から登校だけど・・・




