ミッション本格化だよ、疲れるよ全く
「あいつマジでやっべぇぞ」
「どうする?っつても・・」
まぁ俺も隼もすることは決まっていた、
『逃げるしかないだろ?』
俺達の気持は同じだった、あいつはヤバい、右に心臓がどうとかではなく、単純にあそこまでの重傷が既に回復しているのも、その上元気に動き回れるのも、だ。
「一気に扉まで駆け抜けるぞ!」「分かった!」
「行くぞ!3,2,1,go!」俺達はそのまま部屋を飛び出した。そしてドアを開け・・・れない?
「糞!向こう側から鍵が!」
「うそだ・・「逃げても無駄だぞ?」無雁は即座に刀を抜き俺に斬りかかる、俺は剣を抜き、無雁の左胸に剣を突き立てる、これはぬかったかもしれない。
そして無雁も速かった、俺が抜いた時にはすでに無雁の刀は俺の心臓の目の前にあった。無雁も刀を俺の胸に突き立てる、俺は動けずに刀を抜いた状態で動きを止める。
正直、俺の今の体の軽さならここで俺は相手より速く斬れる自身があった、というか隼が斬りかかる事もできる、だがあいつはこの前左胸をぶっ刺したはずなのにピンピンしてやがる、というか今わかった事だが傷痕すら無い。
もし一撃で殺せなかったらマズイことになるのは分かっている。
・・・さぁ、どうしたものか・・・これ積んだんじゃね?
これは正直積んだんじゃないか?一が人質の取られている、正直今のスピードなら相手の所まで行って斬れるし、刀を投げてもいい、だがあいつは死なないかもしれない。考えろ、考えるんだ!あいつが不死でない事を確実にするんだ・・・
。・・・!ちょっと待て?あいつは何で今止まってるんだ?あいつさっき心臓が右にあるから、とか言ってたような、じゃあ左を刺されても確実に一を落とせるはずだ。
1週間であそこまでの傷を完治させる治癒力があればこの体勢から入る傷なんてかすり傷のごとく治るはずだし、というかほんとにあいつ右に心臓あるの?
俺はそこまで考えた瞬間閃いた。
というか俺と隼も同じこと出来るの忘れてたわ。
俺はさっさと奴を殺そうと走り出した、
俺は全てを悟り、無雁を斬ろうとする、すると無雁の体が光り、爆発した。
「うおっつ?!」俺はいきなりの事に戸惑い受け身も取れず壁をぶっ壊して廊下の壁にブチ当たった。「無雁は・・・?死んだ・・・か?」と俺は激痛の中、隼に尋ねる。
「わから「死んで、ねぇよ!」隼の言葉をさえぎり苦しそうな無雁の声が聞こえる。
「俺は火属性の魔術師だ、自爆した程度で、死んで、たまるか!」
俺に向かって燃えた壁の一部が飛んでくる、俺は避けることもできずに腹でその剛速球のコンクリの塊を受け止めることになる。
悶絶している俺を尻目に隼の方にも燃えたコンクリの塊が飛んでいく、良く見えない代わりに「ゴッ!」という鈍い音が聞こえる、そして「ドサリ、」ど、倒れる音が聞こえる、
隼が気絶したようだ・・・おっと待てよ、いや違う!そして俺も大小さまざまなコンクリが飛来してくる中、手頃なコンクリを自分の足に叩きつけ、打撲音を出した後、体の力を抜き、ドサリとそのまま床につっぷした。
良かった、やっぱりDNAが同じだと考えることも同じのようだ、俺は「ドサリ」と、一が気を失った振りをしている音が聞こえた事に安心する。
すると「あれ?もう逝っちゃったの?」と、無雁は馬鹿みたいに近づいてくる、そして俺は一を信じながらも振りかざされた刀に息を吞んだ。
ま、俺の思惑通りと言うかなんというか、
無雁は刀を振りおろしきる前に一瞬で一に距離を詰められ首が吹き飛んだ。
「即興にしては、いい感じの作戦だったな。」俺は隼に手を貸す、
俺達は死んだ無雁の体に妖刀を突き刺して妖刀の魔力を補給させる。
この剣、常に魔力を消費するので、補給が欠かせないのだ。
「ありがと、あいつらは兄弟どっちも馬鹿なのか?」隼も立ち上がり、剣を無雁に突き刺し、帰るというジェスチャーをする。
「そうかもな」
それから5分、俺らは魔力を補給し終わったであろう妖刀を無雁から抜き取り、元来た方向へ向かってコソコソ隠れることもなく堂々と、なおかつ急ぎめに歩き出した。
そして、俺らはボロボロの体で姫様の元へ戻り、今回の件を報告した。
「なるほど、じゃあ今回の勇者様方のミッション、もとい任務は失敗ということですね?」