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ロード・オブ・三国志X ~ 乙女ゲーム転生! 推し軍師・郭嘉の神技能を継承し、曹操を主君として、乙女軍師として征く三国覇道 ~  作者: 初美陽一
第一幕 女軍師・甄嘉、イケメン烈士どもの信を得る――!

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9/29

第9話 気焔の筆頭将軍・夏侯惇、参上!!

「――ご主君!! 話は聞きましたぞ、何でも新たに軍へと人材を招くのだとか。それは別に結構なこと、だがしかし、物申したいことがある!」


「あ、ああ、()()()()……いや、物申したいと言われても、これは既に決まったことで――」


「それを承知の上で、あえて言わせて頂く! 軍に女人を招くなど、言語道断! あまつさえ、あの郭嘉殿の後を継ぐ()()などと……冗談が過ぎますぞ!」


 主君に対して、堂々と真っ向から諫言かんげんする、眼帯の武人――曹操軍でも筆頭の将軍、夏侯惇かこうとんに違いない。


 見るからに精悍で長身の、露出している右眼は鋭く厳つい、いかにも厳格な面持ち――すごく身も蓋もない言い方をしてしまえば、ワイルド系のイケメンだ。

 乙女ゲームとはいえ〝三国志〟、そこはやっぱりワイルド系のガッチリした人物が多いのも特徴の一つで、コアな人気もある。


 まあでも、こうして同じ場所に放り込まれると、やっぱり凄い威圧感だわ。歴戦の将軍だもんね、当たり前か。文官の人達はもちろん、付き合いの長い曹操様ですら、たじたじという雰囲気だもん。


「か、夏侯将軍、本人を前に失礼だぞ! おれは何も、冗談や酔狂で登用を決めたわけではない。彼女は優秀な才人で――」


「それほど長い付き合いでもなかろうに、何を知ったように申される! 戦場も知らぬ女人をいきなり軍師になど、ご乱心めされたとしか思えん! 郭嘉殿は俺も良く知る御方だが、彼の代わりになど成り得るはずもあるまい! まさか色香にでも惑わされたか!? 目を覚まされよ!!」


「そ、そういう訳では、だな……ううむ……」


『う、ううむ、丞相殿でもたじたじじゃのう……ヒソヒソ』

『いや、いや、曹公(※曹操)に面と向かって、ああも諫言できるのは、中華広しとはいえ夏侯惇将軍くらいじゃろう』

『ホッホ。しかし可哀想なのは、あの新参の女人でしょうな。盲夏侯もうかこうの威圧を受けては大の兵士でも腰を抜かそうぞ、女子供ではひとたまりもないわ』

『それは……そうでしょうな。うう~む、哀れな……』

『……守って差し上げたい……』


「周りでヒソヒソとやかましい!! 余計なことをさえずっていると、目玉の代わりに取って食うぞ!!!」


『『『ヒッヒイイイイイッ!!!』』』


 中には重臣もいるだろうに、構わず一喝する夏侯惇殿に、ズザザッ、と文官一同が怯えて後ずさる。


 ()()

 話の当事者となっている、()()()()()――つまり私の様子に少しばかり、ざわめきが起こった。


「……うふふっ♪」


『!? わ……笑っておる……? あの夏侯将軍の威圧を受けて……』

『そんな馬鹿な、何事もないように……いや、むしろ涼やかに、楽し気に受け流しておるぞ……?』

『……うぬぅ……』

『よもや、我々が思う以上に……あの女人、大人物なのか……?』

『……愛を歌いたい……』


 文官の方々が、ざわついて――ハッ、と私は我に返った。


(ハッ……ハッ! ふう~危ない危ない、ついニヤけちゃった。そうそう、ゲームでも夏侯惇ってすごい厳しいように見えて、実は内心でめっちゃ心配してくれてるんだよね~。さっきの言葉も、要は〝女が戦場に出るのは危ない〟ってことだし。つまり、これはツンデレ……ワイルド系イケメンのツンデレ、栄養素だわ~)


「ムッ。……ほう、思ったよりは肝が据わっている様子。俺の圧を受けて怯みもせんとは、戦場の将兵にも、そうはおらんぞ」


(そうそう、ゲームでも怯まず真っ向から対応するほど、好感度が上がるんだよね~。うふふ、また笑いがこみ上げてくるわ~♪)


「だが、そのくらいで俺を認めさせられるなどと、思わぬこと……おい、聞いているのか、おい。何を笑っ……よだれが出ていないか、大丈夫かオイ!!」


 何だかご心配いただいているけど、この辺でやわらか人物評を挟んでおこう。


 ――――――★女軍師・甄嘉のやわらか人物評★――――――


『夏侯惇』攻略可能キャラ(※攻略可能=総じてイケメンとご理解ください)

 字を元譲げんじょう。曹操孟徳の旗揚げ時から従軍していた武将で、史実でも異端の厚遇を受けた人物として筆頭人物に挙げられやすい。

 イメージでは〝猛将〟と思われがちだけど実際は〝名将〟の活躍が多い。補給など細かなことでも嫌がらず、むしろ率先して行うし、政治面ですら有能さが窺える。終生、曹操に忠実に尽くし、曹操からの信任は家族以上に厚かったほどだ。


〝ロード・オブ・三国志〟でも、プレイヤーであるヒロイン以上に主君である曹操を重視して行動するくらいで、〝乙女ゲームとしてはどうなんだ?〟という声はあるものの、〝むしろそこが尊いんじゃん!!〟という声が大半を占める乙女ゲーの異端児。ていうかぶっちゃけ私も同意見。三国志オタとしては重要な栄養素ですし。


〝猛将より名将タイプ〟とは言ったけど、嘘か真か「片目を射抜かれた際、それを引き抜いて自身の目玉を喰らって豪胆を示した」なんて逸話があるくらいだし、たとえそれが創作でも「実際、豪胆な人だったんだろうなぁ」と思うんだよね。


 ――ところで完全に余談なんだけど、もし矢が刺さったのが股間だったらどうなっていたんだろう。女軍師、気になります!!


 ――――――――――――――――――――――――――――


 ふう……よし、どうにか落ち着いてきた。黙ったままなのも、そろそろよろしくないし、しっかりと答えよう。新卒(?)として大事なことよね、うん。


「夏侯将軍、ご安心を。私などが、敬愛する郭嘉様の代わりになるなどと、烏滸おこがましいことは微塵も思っておりません。ただ、私は故人の遺志を尊重し、同時に私自身の確固たる信念によって、曹操様の覇業をお支えしたいと願っているのです。……夏侯将軍のご心配は、重々承知しておりますが……」


「! べっ、別に心配などしておらぬわ! ふ、フンッ!」


ハイッ、ツンデレ頂きました~! はあ~栄養素、栄養素♪)


『おお、何と流麗なる論調、しかもあの夏侯将軍を言葉で退けようとは』

『どうやら見くびっていたのは、我々だったようですな……反省せねばなるまい』

『……ふん、権威ある漢王朝に、全く……面白くないのう……』

『ま、まあまあ、孔融殿。まあそれに、あれほど美しき御方です。ご覧ください、あの朗らかな笑顔……華やかになって良いではありませぬか』

『もうめっちゃ名日宓妃……洛神の如き美……』


 なんか、他の文官さん達も認めてくれているような……さすがに気のせいか。

 とにかく、と私は改めて、名乗りを上げた。



「私は、姓はしん、名は――未熟ながら〝女軍師〟をこころざ甄嘉しんかと申します。

 末席ながら、どうか皆々様、よろしくお願い致します――!」



 自己紹介を終えて、そういえば、と思う。結果的にで、一方的にだけど知っている夏侯惇殿が割り込んでくれたおかげで、緊張が解けた気がする。

 何となく感謝の念が湧き、視線をそちらへ向けてみた。


 すると腕組みして私の紹介を聞き終えた、夏侯惇殿が――曹操様に、顔を寄せていて――


「……オイ孟徳もうとく、本当に大丈夫なのだろうな。戦場が甘くないのは、おまえとて重々、承知しているだろうに」


「……ふふ、大丈夫だ。おれには、頼りになる武人が大勢ついているからな。例えばとん、おまえのように頼れる男が、な」


「チッ、調子のいいことを言いやがって! ……絶対に守ると、確約はできんぞ」


(ハイッ、キターーーーー!! 曹操と夏侯惇、熱い主従のブロマンスゥ――!! これこれ、やっぱこれよね~三国志♪ たまんないわ~……♪)


「……あと、あの甄嘉という女人、本当に大丈夫なのか。なんかコッチ見て恍惚としてるんだが。あとヨダレ出てるんだが」


「ああ……斬新だよな、おれの臣下には今まで、いなかった逸材だ……!」


「いいのか本当に。大丈夫か、甄嘉アッチ孟徳コッチも」


 何だか夏侯惇殿の心配は尽きないようだけど、私としては、この眼福を全力で味わいたいので、引き続きお願いしたいくらいだ。


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