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ロード・オブ・三国志X ~ 乙女ゲーム転生! 推し軍師・郭嘉の神技能を継承し、曹操を主君として、乙女軍師として征く三国覇道 ~  作者: 初美陽一
第一幕 女軍師・甄嘉、イケメン烈士どもの信を得る――!

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第8話 初出仕、ご主君の過剰な期待と無茶ぶり――しかしその時!

 ここは許昌きょしょう曹操そうそう勢力の中心とも言える都で、漢王朝の皇帝(※献帝)を擁立してからは〝漢王朝の都〟ということになる。

(※細かいことだけど献帝在位中は〝許〟のはず。まあでも、ややこしいからゲーム中では〝許昌〟で通されていて、()()()()()()でも同じっぽい。まあ地名とかコロコロ変えられても困るし、ありがたいわね)


 そんな勢力中心の地で、主君が座するお城だからか、もちろん臣下は多い。いくら乙女ゲームの世界とはいえ、いきなり女が出仕してくることに、胡乱うろんな眼を向けられるのは至極当然だった。

 左右に並び立つ文官と思しき人物たちが、私を見て何事か囁き合っている。


『ヒソヒソ……おい、アレが例の……?』

『ああ、噂では、あの郭殿(※郭嘉のこと)の後継なのだとか……?』

『あのような女人が、まさかそんな……丞相(※曹操)のいつもの気まぐれじゃ』

『郭殿の智嚢ちのうは唯一無二、戯志才ぎしさい殿も亡き今、代わりなどおるものか』

『……う、美しい……』


(ウッウワアアアアッ。空気、重ッ! ゲームでも最初はそうだったけど、実際にこの場にいるとハンパないわ、圧! 事件はリビングで画面越しに起こってるんじゃなく、現場で起こってたのね! おおお落ち着け私ぃ~っ!)


 こういう時は、素数を数えれば落ち着くと読んだことがある。素数が一つ、素数が二つ、素数が三つ……フフッ、定番の間違い★ ええ~い落ち着けるかー! という訳で人材を数えま~す!


 えーと、杜襲としゅうが一人、王粲おうさんが一人、陳琳ちんりんが一人……え、ウソ、錚々(そうそう)たる顔ぶれじゃん、曹操そうそう幕下だけに……逆になんで私、こんな所にいるんだろ、元はただのOLなのに……。


 落ち着いたかもしれないけど、一方で大いに打ちひしがれていると――この面々の中でも最上位に座する、主君たる曹操様が威儀をもって言葉を発した。


「――日々精勤、御苦労、皆の衆」

『『『――――!!!』』』


 曹操様が、声を発した瞬間――先ほどまで囁き合っていた文官たちが、一斉に主君の方へ顔ごと向ける。

 ああ、この整然とした態度、やっぱり天下の曹操陣営だなぁ……なんて、ついついオタ魂がうずいてしまう。


 幕臣たちの視線を一身に集めつつ、けれど当の曹操様にとってはいつものことのようで、気弱な印象は鳴りを潜めて堂々と発言した。

 ――ただその内容が、()()()()()はちょっと問題がある。


「さて、既に聞き及んでいる者も多かろうが、新たなる()()を我らの幕臣として迎える。かの〝郭 奉孝〟から教えを受け、その遺風を受け継ぐ者だ。女人だからと軽んずることは、おれが許さぬ。良いな」


(わっわああああ。ちょ、大げさすぎ、ぶち上げすぎですってば!? ただでさえ怪訝な眼で見られてるのに! これ以上、針の筵に立たせないでぇ!?)


『ヒソヒソ……!? 聞きましたかな、今のご主君の御言葉を……!』

『あの申しよう、郭殿を逆に貶める発言では……!?』

『あれほど重用していた郭殿を……死者には用無しということでしょうかなぁ、全く、奸雄殿にも困ったものじゃ』

『こ、孔融こうゆう殿、言葉が過ぎますぞ……しかし、う~む……』

『……髪、めっちゃ綺麗すぎる……』


(キャーーーッ!? あああ、案の定~っ!!)


 凄まじい勢いで縮み上がって震えている私に、何か勘違いしているのか、曹操様は秀麗な面貌で微笑み、うんうん、と頷いていた。


「おお、溢れんばかりの才気が身中に渦巻き、今にも弾けんと震えているようだ……頼もしいな! 今日よりその才気、思う存分に発揮してほしい!」


『!? ヒソヒソ!』『ヒッソヒソ!!』『ヒソヒソォォォ!!!』


(ドヒェーーーッ!? エグイ、無茶ぶりがエグイ!! そーいうとこはホント奸雄だな~~~もうっ! もはや周りもヒソヒソ話レベルじゃないし! 曹操様、勘弁してくださいよぉ~~~!)


「さて、そうだな。では早速、皆に名乗って――」


『――待たれいッッッ!!!』


「「!?」」

『!?』『!!』『……!』


 その時、明らかに文官のものとは異なる、威圧感の籠った大声が雷鳴のように轟いた。

 華美で荘厳な建築意匠の施された城中には、あまりにも不釣り合いな出で立ちの――それはもう武人らしい、大柄な人物だ。



 ――眼帯で()()()()()()人物が、鎧姿のままで上がり込んでくる――


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