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ロード・オブ・三国志X ~ 乙女ゲーム転生! 推し軍師・郭嘉の神技能を継承し、曹操を主君として、乙女軍師として征く三国覇道 ~  作者: 初美陽一
第二幕 もう一人の転生者!? ブッチぎりの、やべー女(ヤツ)がやってきた!!

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第20話 転生ヒロイン同士、紡がれし絆――ほら百合だぞ喜べよ(計略・虚報)

 蔡琰さいえんちゃん――転生前はSi-Ren(サイレン)という活動名の歌手で、本名は彩子さいこちゃんだという。乙女ゲームのヒロインである蔡琰として、真んまるな瞳と人懐っこい雰囲気の美少女で、特徴的な美声がしっくり来る。


 どこか妹っぽさを感じる彼女が、思いついたように声を上げた。


「あっ、そうだ! さっきから、その……サイエン? って、ちょっと違和感あるんですよねぇ、サイレンとも違うし……だからお姉さま、わたしのこと、もっと気軽に……名前のほうで、彩子さいことでも呼んでくださいっ!」


「あ、じゃあサイ、コちゃ……うん、コンプライアンス的なアレやコレやを鑑みて……さいとも合うし、サイちゃんって呼ばせてもらうねっ♪」


「え~っ、愛称みたいで嬉しい~! わたし転生前ぶっちゃけ引きこもりだったし、友達とか初めてだから……えへへ♪」


「わあ、しっとりと闇を感じるわ……ま、まあそれはともかく。……じゃあサイちゃん、私からもお願いがあるの」


 蔡琰――改めサイちゃんは、首を傾げつつ、私の続く言葉を聞いてくれた。


「私、この世界では甄嘉しんかって名乗っているんだけど……転生前は、嘉那慧かなえって名前だったの。それを知っている人も、もうこの世にいなくて……あんまり呼ばれないでいると、忘れちゃいそうだからさ。二人きりの時は、サイちゃんだけでも、私のこと……嘉那慧、って呼んでくれない?」


「! ……お姉さま……」


「うふふっ……なんか照れるけど、ねっ♪」


 照れくさくなって、鼻の下を軽く指先で擦っていると――サイちゃんは、輝くような笑顔を向けて、こう言ってくれた。



「う~ん……呼び分けとか()()()()ですし、しんお姉さまで良くないです? あっ、覚えやすいし、しっくりくるっ。甄お姉さま、よろしくです~っ♪」



「貴様ッ……!!」


「ほへー?」


 なんか転生前、この子に友達がいなかったの、分かる気がするな。まあでも悪気は無いのだろう、仕方なく〝甄お姉さま〟とやらを受け入れることにした。


 ……それに、この〝ロード・オブ・三国志Ⅹ〟の世界に、いきなり放り込まれた〝転生者〟同士なのだ。私はシリーズファンだし、心から喜べる部分も多いから良いものの、ゲームを良く知らないサイちゃんは、そうではない。


 仲良くして、気遣ってあげなくちゃね。本当に妹が出来たような気になっていると、そんな彼女が手を叩いて言った。


「……あっ! 甄お姉さま、思い出した! わたしわたしっ、このゲームで好きなキャラ、ちゃんといましたっ!」


「……え~っ、なにそれ、話を合わせようとしてるだけじゃないの~?」


「そっ、そんなことないですってぇ~! そいえばプロモーションビデオとかも見ましたし、パッケージにもデッカくイラストあったし……めっちゃカッコイイ~! って思ったキャラ、いましたよ~!」


「え~っウフフ、ホントに~? ホントかな~? ウフフフ♪」


 その割にゲームを開封もしていなかったっていうのはアレだけど、でもきっと、サイちゃんなりに仲良くしようと、頑張って思い出してくれたのだろう。


 何だか胸が温かくなりつつ、サイちゃんの推しキャラを拝聴して――



趙雲ちょううんってヒト!!」


「敵!! それっ私らの勢力の敵!!!」



 ……う、うんまあ、趙雲、乙女ゲーム的にも正統派の超イケメンで、人気もめっちゃ高いし、仕方ないッスね……サイちゃんなりに、頑張ってくれたんだしね……ぶっちゃけ曹魏そうぎ勢力以外でも、私だって好きな武将とか一杯いるもん。


 そう、私は押しつけがましいオタにはなりたくない。趣味なんて、人によって違うんだし……そうだ、私はしっかり自制して、理解のあるオタであらねば!


 なんてことを考えていると、まだサイちゃんには推しがいるらしく――



「あっ、あと真田幸村さなだゆきむらとか♪」


「ジャ・パ・ン!!! Not三国志!! Yes戦国時代!!」


「ほえー?」



 いやまあ、私も戦国時代好きだけど、でもやっぱり、相容れない部分も多いかもしれない。思った以上にヤベーヤツだと、改めて分からされつつ、先行きがそこそこ不安になる私だった。


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