〈最終話:46話〉幸せ
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「憐様、お体は大丈夫ですか?」
「・・・・・・ああ、おはようベル。問題ないよ。今日は調子がいいみたいだ」
「そうですか。なら散歩にでも行きませんか?」
「・・・・・・そうだね、行こうか」
ベットの上でうたた寝していると、もう何十年も聞きなれた声が聞こえて目が覚める。
ゆっくりと横を向くと昔から全く姿が変わらないベルがいた。
少しの会話を交わし、ベットから出てきてベルと共に部屋を出る。
左右に伸びる長い廊下から階段にいき、食堂へ向かう。
「ベル様! 憐様! おはようございます!」
「うん、おはよう。憐様と散歩してくるから、歩きながら軽く食べられるものないかな?」
「あ、それなら今日はサンドウィッチとかあります!」
「いいですね」
「じゃあハムとマヨネーズのでいいですか?」
「うん、頼むよ。ありがとう」
ベルが食堂の女性から2人分のサンドウィッチを手渡してもらい、お礼を言って庭に出る。
「あっ! ベル様ー! 憐様も! おはようございます!」
「おはようございます!! 今日はどこかにいかれるんですか?」
「うん、憐様と庭を散歩しようと思ってね」
「今日は散歩日和だから丁度いいですもんね!」
「楽しんできてください!」
「ありがとうね!」
ベルが通りすがりの男女に声をかけられる。
男女からは親しそうに話している中に、尊敬の念が混ざっているように感じれる。
そのままベルと一緒に大きな扉を抜けると、広い庭園のような場所に出る。
綺麗に整備された道が伸びていき、いくつにも枝分かれしている。
沢山の植物が植えられており、花が咲き誇り巨大な庭園を色とりどりに彩っている。
朝ご飯に貰ったサンドウィッチを食べながらベルと並んで歩き出す。
人とすれ違う度に毎回挨拶をして軽く雑談をして別れる。
どんどん奥へ奥へ進みと人も少なくなっていき、背の高い花に囲まれた屋根付きのベンチがあり、そこで座って休憩する。
周りを見渡すと、とても大きな館、いや城と言ってもいいほどの巨大な建物が見える。
俺が目を覚まし、食堂でご飯を貰ったのはあの建物だ。
「憐様、久しぶりにあの家に行きませんか?」
「ああ、それもいいな。皆いるかな」
「多分いますよ。あの子達はあそこが大好きなので」
ふふっとベルが笑顔を見せる。
「ん? どうした?」
「いえ、少しだけ、こうしておきたいなって」
ベルがコツンっと俺の肩に頭を乗せ、目を瞑る。
口角が少し上がっており、なんだか楽しそうだ。
「それじゃあ行きましょうか!」
「そうだな」
2人で空を飛び、さらに高く、上空へ上がっていき、停止する。
島の全貌が見える。
数千数万人が入れるほど大きなお城とそれを囲む堅牢で職人の装飾が施された城壁、その間には広くて美しい庭園。
そしてお城から離れたところに見えるのはポツンと置いてある年季の入ったボロボロな木造の家。
この島にある建造物はこの2つだけだ。
「今日も平和だな」
「そうですね、皆笑顔です・・・・・・どれも憐様が生み出した光景ですよ。あなたが居なければ、こうはならなかった」
「・・・・・・そうでなければ、もっと良かったんだがなぁ」
「・・・・・・私は今が大好きですけどね。そのおかげで貴方に会えたので」
しばしの沈黙が流れる。
しかしそれは気まずいものではなく、どこか心地いいものだ。
暖かい風が吹く。
強風だったが、ベルはもう飛んでいてもフラフラとすることはない。
今なら、俺よりも力を使いこなせているのではないだろうか。
「それじゃあ行きましょうか」
ベルの言葉に同意し、木造の家へと向かっていく。
近づいていくと、部屋の電気がついているのが見えた。
皆、あそこにいるんだろう。
「よっと! さぁ、入りましょう」
「ありがとう」
ベルが先に着地し、家の扉を開けてくれる。
感謝を言いながら俺が先に入ると、音に気づいたのか、60代くらいの男性がリビングからひょこっと顔を覗かせる。
ああ、変わらないな、君達は、あの時から。
「憐様! 皆ーベル様と憐様が来たぞー!」
「え!? 憐様! お体は大丈夫なんですか!?」
「1ヶ月ぶりくらいですね! 今日は調子よさそうでよかったです!」
「今ご飯食べてたんですが、憐様達も一緒にどうですか!?」
ぞろぞろと奥から人が現れる。
全員?%8




