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85 滅びは一瞬で

 魔族は驚いていた。

 栃木にある迷宮の多くが消えていく。

 それも一瞬にして。

 毎日、どこかの迷宮が消えるのだ。

「何があった?」

 こう思う者も出て来る。



 だが、焦ってるかというとそうでもない。

 異様な事が起こってるのは分かってるが、それが自分たちの驚異とは考えてない。

 魔族は理由もなく次のような確信を抱いていた。

 何があるか分からないが、自分たちに及ぶことは無いと。



 それは自信というのとは違う。

 自分たちは超越した存在であるという思い込み。

 これがもたらす無意識における思考。

 その果てに出て来る答え。

「我々が脅かされる事はない」

 この思い込みを魔族は誰もが抱いていた。



 傲慢。

 一言でいうならこうなるだろう。

 何の根拠もなく自然とこう考える。

 魔族の持つ特性と言って良い。



 圧倒的な力。

 これを持つのが魔族だ。

 そして、強弱だけで物事を判断する。

 弱者は悪。

 強者こそ善と。

 そんな魔族は、圧倒的な力を持つが故に慢心する。

 自分たちこそが最良最善であると。



 迷宮の消滅についても同じ考えが働いていた。

 何があったか知らないが、迷宮が消えたのは弱いからだと。

 弱い物が滅びるのは当たり前だと。

 そんな弱者がどうなろうと知った事ではないと。



 何よりもこう考えていた。

 自分たちに及ぶ事は無いと。



 それがなんであれ、自分たち魔族を脅かす何かは発生しない。

 存在すらしない。

 仮にいたとしても、それを撃退出来る。

 こういった確信を魔族は抱いていた。



 そんな彼らが粉砕されていく。

 ソウマ達が魔界に突入してすぐに。

 自分の力に絶大な自信をもっていた魔族。

 そんな彼らは、1時間とたたずに殲滅されていった。

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