81 無理難題はいつものこと、だけど困難を乗り越えられる助言をしていく
霊気結晶により、カナヤとシラベのレベルは跳ね上がってる。
もともとレベル30程度まで上がってはいたが。
次から次へとおかわりされる霊気結晶によって更に急上昇。
おかげで現在、2人ともレベル200。
「これだけあれば十分だ」
太鼓判をおすソウマに、それはそうだろうと2人は思った。
しかし。
「でも、戦った事ないですよ、俺」
「あたしも」
幼少といってよい年齢の2人は怖じ気づく。
それもそうだ。
オトハとシラベと違い、戦闘を行ってない2人だ。
レベルは高くても戦い方を知らない。
そもそも戦闘向きでない、生産型の頂上力の使い手である。
戦いとは無縁なのが普通だ。
「大丈夫」
それでもソウマは揺らがない。
不安を抱く2人を促していく。
「やり方はこれからおぼえればいい。
簡単だ」
それはその通りである。
しかし。
最初がいきなり迷宮というのはいきなりすぎた。
「大変だとは思うけど、がんばって」
「なにかあれば、ボクらも動くから」
オトハとサユメもこう言って安心させようとする。
しかし、これは戦闘に向けて2人の背中を押してる。
残念なことに、オトハとサユメが気づいてない。
心からの善意で2人は言っている。
だからたちが悪かった。
悪意のない、好意からの強制になってるからだ。
そんな3人のやんわりとした圧力により、カナヤとシラベは迷宮へと追い込みをかけられた。
断るすべのない2人は、やむなく迷宮へと突入する事になる。
「それじゃ、がんばろう」
「……うん」
「……はい」
ソウマに向けて、か細い返事が向けられた。
しかし、不安とは裏腹に迷宮で2人は活躍する。
本人達が思った以上に。
やり方は知らなくてもレベルは高い。
下地は出来ている。
そんな2人がやり方をおぼえれば、そこらの怪物など簡単に蹴散らすというもの。
不安を抱きながらも迷宮に入り。
言われるがままに怪物と戦い。
そこで2人は悟る。
自分たちでも戦えると。
持ってる超能力を使って。
カナヤの持つ【制作】
シラベの持つ【調理】
戦闘向けではないはずのこの能力。
しかし、使い方を変えるだけで、おそろしいほどの威力を発揮していく。
オトハとサユメがそうであったように。
もちろん、直接戦えるわけではない。
これらの能力で敵に傷を負わせるわけではない。
この点では、オトハの【音響】やサユメの【幻影】よりも不利だ。
なんだかんだでこの能力は敵に直接効果がある。
だが、打撃を与えない能力で出来る事が、敵を倒す事につながっていく。
それをソウマはカナヤとシラベに伝えていく。
「武器を作れ」
カナヤへの助言は簡単なものだった。
「道具を作れる、なおせるんなら、武器だって作ってなおせる。
おまえが作れる武器で怪物を倒せ」
そう言ってソウマは様々な提案をしていく。
こうした武器を作ったらどうだとか。
こういう装置があれば便利じゃないかとか。
言われてカナヤはその場で武器や道具を作っていく。
戦いが楽になるようなものを。
「食べるものが作れるなら、食えないものだって作れる」
シラベには調理の幅をひろげさせる。
「毒になる物を見抜いて使う事もできる。
そういうものを見つけて敵に使っていけ」
食べられるものとは逆のもの。
食べられない、食べたら死ぬものも使いこなせる。
材料をもとに様々なものを作る。
これがカナヤとシラベの能力だ。
それが道具なのか、食べ物なのかの違いがあるだけ。
本質は同じ。
この能力を使う事で、カナヤとシラベは絶大な能力を発揮していく。
迷宮の怪物を相手に。




