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70 世の中にあわせて事業も拡大したいというのは無謀であろうか?

「人を入れたいと思う」

 都市に戻った次の日。

 ソウマは2人に告げた。

 仕事の話をしようというところで出てきた話に、オトハとサユメは驚く。



「人を……ですか?」

「いきなり何で?」

 当然の疑問である。

 確かにソウマの配達・運送業は順調だ。

 しかし、人を入れて事業拡張するほどなのかどうか。

 オトハとサユメには判断しかねる事だった。

 なにせ、二人とも10代である。

 経営や運営の知識や経験などあるわけもない。



「稼ぎとしてはギリギリではある」

 ソウマも今の稼ぎでは厳しいのはわかってる。

 怪物を倒してるので、換金できる霊気結晶は大量に手に入る。

 しかし、秘密にしてるのだから売りさばくわけにもいかない。



 となると、稼ぎは基本的に配達によるものとなる。

 加えて、途中で遭遇した(という事にしている)怪物を倒して得た霊気結晶の売却益。

 これがソウマの主な収入となっている。

 生活を支えられる、しかし事業拡大が出来るかというと悩ましい。



「けど、あえて人を増やす」

 ソウマとて考えがあっての事だ。

 今後を考えての事でもある。

「でも、何をするんですか?」

 控えめにオトハが尋ねる。

 その隣でサユメもうんうんと頷く。

「わざわざ人を入れてまでしたい仕事ってあるの?

 そんな儲かる話が転がってるとは思えないけど」

 サユメも疑問を口にする。



「たぶん、大丈夫だ」

 不安を口にする2人に、ソウマは自分の考えを伝える。

 これからやろうとしてる事を。

 この先必要になりそうな事を。

「修理と飯。

 これをやっていく」



 魔族と怪物を減らした結果、人の生活圏には活気が出てきている。

 今までは怪物に阻まれて行き渡らなかったものが届くようになってる。

 こうなるといろいろな事が発生する。



 部品が届くようになったから機械を修理出来るようになった。

 人が集まるから飯を用意する必要が出てくる。

「これをかなえる事で儲けを出す」

 悪くない考えではある。

 人を集める事が出来るなら。



「でも、それが出来る人っているの?」

 サユメが現実的な問題を出してくる。

 たしかに修理も料理も出来る人は求められている。

 なので、そんな人はわざわざソウマのところまでやってこない。

 仕事は自分で見つけるし、どこからかお呼びがかかるのだから。



「大丈夫だ」

 この点でソウマは上手くいくという目論見があった。

「人は育てればいい」

 これまでの実績、特にオトハとサユメという実例がある。

 これだけを根拠に、ソウマは発生する需要を満たそうとしていた。



「そんな上手くいくかなー」

「ですよね」

 楽観過ぎるように見えるソウマの考え。

 それを聞いてオトハとサユメは少し抱け心配になった。

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