61 ほら、出来るだろ、こんなにたくさんの怪物をなぎ倒してる
集まる大量の怪物。
それらに対抗するのは2人の少女。
普通に考えれば勝ち目のない戦い。
だが、始まってみれば、意外なほどあっさりと怪物は蹴散らされていった。
オトハの大音響によって大半の怪物が行動不能になっていく。
サユメの幻影によって視界を分断されていく。
あとは切り刻まれていくだけ。
レベル200を超えた2人にとって、さほど難しい事ではない。
広い範囲を巻き込む直接的な攻撃手段はない。
霊気を用いればできるが、戦闘に向いた超能力を使える者ほど効率的ではない。
とどめを刺すときはどうしても自らの手で行う事になる。
ここが2人の泣き所だ。
だが、今の2人ならば大量の敵を倒すこと難しくはない。
すでに並の人間を超えた能力を発揮する2人である。
瞬時に移動をして、瞬間的に攻撃を繰り出す事ができる。
1秒にも満たない間に、敵に接近して小太刀や手槍を振る。
怪物を切り裂き、貫く。
これを何度も繰り返すだけの体力もある。
音や幻で怪物がのたうち回ってる怪物は、回復する前に死滅していく。
戦闘ともいえない一方的な展開が続く。
ソウマが言った通り、2人は怪物を難なく圧倒していった。
「そうそう」
様子をうかがってるソウマは、2人の活躍を笑顔で見つめる。
「これでわかってくれたかな」
ソウマは2人に自分の実力をわかってもらいたかった。
今、どこまでできるのかを。
2人の戦闘力は格段に上がってる。
レベルを上げてる事もだが。
いくつもの迷宮を攻略してた経験がある。
これが持ってる能力の使い方や使いどころを見つけるきっかけになっている。
きっかけは自分の中の何かに気づくこと。
新しい何かを手に入れる事ではない。
自分の中にあったものを知る事だ。
見つけたものの活かしかたに気づく事だ。
これらが2人を格段に強くしていった。
持ってる超能力を使い、絶大な戦闘力に変えていく。
音と幻という、それだけではたいした事がないはずの能力。
これが大規模な戦闘能力へと変わる。
加えて、レベルとともに増大した霊気の使い方。
身体能力を上げて、五感を上げて、思考を早めて決断をもたらす。
これがオトハとサユメの能力を跳ね上げる。
そんな2人だから、怪物を難なく蹴散らせる。
そして、より強力な敵も。
それはすぐそこまで近づいてきている。
ソウマの探知能力に引っかかってる。
なので、そいつを周囲の空間を断絶した。
外との繋がりを失った場所の中に捕らえる。
「それじゃあ、2人とも」
戦ってる最中の2人に声をかける。
同時にソウマは、周囲の怪物を一瞬にして切断していった。
隔たれた空間に頭を、上半身を、体の右側を、あるいは左側を。
強制的に収容された怪物どもは、一瞬にして絶命していく。
怪物を片付け、霊気結晶も収容空間に確保して。
ソウマは2人を連れて転移する。
捕らえた奴のいるところに。
そして、2人に告げる。
「今度はあいつを倒すんだ」
教材を与えるように、隔離した空間に閉じ込めたものを与える。
それを見て2人は固まった。
「あの、あれは……」
「もしかして……」
緊張するオトハとサユメ。
そんな2人の疑問にソウマは淡々と応えた。
「魔族だ」
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