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48 サユメの成長

 サユメも負けてはいない。

 探知能力では負けるが、相手を翻弄する事は得意だ。

 この利点を用いて、怪物を倒していく。



 まずは【幻影】で自分そっくりの幻を放っていく。

 これらが怪物を引きつけ、誘導をしていく。

 幻像が怪物の姿を引きずりだす。

 そしてサユメ自身は姿を消して怪物を仕留めていく。



 大勢の怪物があらわれても【幻影】で翻弄していく。

 難しい事はしない。

 単純な図形を空中に映し出す。

 ただこれだけで、怪物の視界を遮る事が出来る。



 障害物としての機能はない。

 実体がないのですり抜ける事は出来る。

 だが、視界を遮られた事で動き一度は止まる。

 その先に何があるのかを気にしてしまう。

 心に乱れが生まれる。

 遮る壁の数が多ければ特に。



 大半が目を塞がれて立ち止まる。

 だが、例外も出てくる。

 そこに障害があろうと、気にせず突進するものもいる。

 これが混乱のもとになる。

 その先に誰かがいれば、当然ぶつかる。

 群の規模が大きくなるほど、こうした事が幾つも起こる。



 ここにサユメは飛び込んでいく。

 渋滞と衝突を起こした怪物の中に。

 幾つも作り出した自分の似姿の幻影と共に。

 これらが更に怪物を混乱させていく。



 攻撃を仕掛けるサユメの姿に、怪物も応戦していく。

 それが幻影なら盛大な空振りをする。

 勢いをつけすぎたものは、そのまま転んでしまう事もある。

 また、うっかりと仲間に攻撃が当たる事もある。



 サユメ自身は姿を透明にして敵に襲いかかっていく。

 いくつもの四角や三角などの図形を衝立にして、怪物は分断されている。

 大勢であっても、個別に分断されればさほどの驚異ではない。

 レベルの上がったサユメの能力ならば、たやすく撃破出来る。



 また、背丈や体格が似たような怪物には、サユメ達の姿をかぶせていく。

 幻影で人間そっくりにして、周囲の図形を消していく。

 そうなれば人間の姿を見た怪物が攻撃を仕掛けていく。

 同士討ちで怪物が自ら数を減らしてくれる。



 こうした撹乱をしつつ、サユメは怪物を切り裂いていく。

 手にした小太刀に霊気をまとわせて威力を上げて。

 怪物の首に刃を当てて切断していく。

 あるいは、霊気を乗せた矢をクロスボウで放ち、怪物の脳髄や心臓などの急所を射貫いていく。



 生み出されていく混乱。

 幻影によって惑わされた怪物は、実態のない敵を追いかける。

 そして、姿の見えない敵に打ち取られていく。

 多くの虚に欺かれ。

 わずかな実にとどめを刺される。



 小柄な体を軽快に跳ねさせながら、サユメも戦場を駆け巡る。

 怪物を分断し、混乱させていきながら。


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