47 オトハの成長
単独での行動に向いてるのはオトハだ。
【音響】を使った探知能力は怪物がどこにいるのかを見つけていける。
音をぶつける事による衝撃で怪物を倒す事も出来る。
1人だけで探知から戦闘までこなし、怪物を倒すことが出来るようになっている。
足音などを消すことで限定的ながら隠密行動も出来る。
また、相手の声を封じる事で連絡を取れなくさせる。
超能力をこうして使う事で、怪物をいち早く見つけ、翻弄し、衝撃でなぎ払っていく。
それでも敵を倒しきる事は難しい。
音の衝撃だけでショック死を引き起こす事もある。
だが、これは偶然に近く、確実とは言い切れない。
弱いものならばともかく。
殺傷能力ではどうしても劣ってしまう。
しかし、敵全体を行動不能に陥らせる事は大きな強みだ。
鼓膜を叩き、脳を揺さぶる大音量にはそれだけの威力がある。
これを広範囲にわたって行える。
どんな強靭な肉体を持っていても意味がない。
音を聞く機能があるなら、オトハの攻撃から逃れる事は出来ない。
ここに、レベルの上昇による身体能力の上昇も加わる。
体の内側を巡り、表面を覆う霊気。
これが今まで以上に大きく濃密になっている。
細胞の一つ一つが放つこの霊気が、オトハに常人を超えた動きを提供していた。
人を超える速度で駆け抜けていく。
手にした槍で怪物の分厚い筋肉を貫いていく。
鬼や獣人といった人間サイズの怪物なら簡単に撃破できてしまう。
単体ならば、グリフォンや鵺といった比較的大型の怪物すらも倒してしまう。
しかも轟音でまともに動けなくさせられる。
数がどれだけ多くても、個体としてどれだけ強くても意味がない。
脳に直接衝撃を受ければ、怪物とてのたうちまわるだけ。
これらはオトハによって簡単にとどめを刺されていく。
音を消された銃弾が貫き。
短い手槍に刺し貫かれ。
次々に仕留められていった怪物は、煙のように消えて霊気結晶だけを残していった。
無音と轟音の狭間で。
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