33 代わりがあっても必要性が保たれる事もある
配達を終えて都市に。
報酬を受け取り、それから調査の準備をしていく。
何日間かは外で活動する事になる。
必要になる食料や燃料を確保せねばならなかった。
寝床については、軽ワゴンをそのまま使う。
後ろの荷物スペースに寝袋をおける空間を作る。
そもそもとして荷物がさほどないので、これは手間ではない。
重要な道具はソウマの収容空間に入れてある。
荷台にあるのは、他の誰かがすぐに使えるようにと残したものだ。
これはさほど多くはない。
食料は食券を使って。
燃料も現物支給の分を用いていく。
その他、細々としたキャンプ用品を補充していく。
必要なものはほぼ全て揃えてあるので、これはさほど追加する必要もないのだが。
消耗品だけはどうしても予備を集めておく必要があった。
更には予備の銃弾なども。
値段がはるので、それほど購入する事は出来ないが。
だが、無理のない範囲で買い集めていく。
これらを終えてから一泊。
朝を迎えてから都市の外へと向かう。
「行くぞ」
「うん」
「はい」
さすがにサユメも少し固めの顔と声。
オトハは緊張に体をこわばらせ、後部座席で硬くなっている。
そんな2人を乗せて、ソウマはアクセルを踏む。
荷車を引っ張る人の間を通っていく。
レベルの上昇によって身体能力を上昇させる事が出来るようになった。
能力上昇の超能力を使える者もいる。
そうした者達の中には、荷車を引っ張る運送などもいる。
燃料が乏しい今の時代、こうした人力車の需要も大きくなっている。
なにせ、人によっては4トントラック並の運搬力を発揮するのだから。
むしろ、自動車を使う方が珍しい。
たんに移動するだけなら、車や電車を使うより足を使った方が速い場合もある。
高レベルならなおさら。
探索者だと特にこの傾向は強くなる。
それでもソウマを含めた探索者が自動車を使うことは多い。
最悪の場合、簡単な籠城場所になるからだ。
並べれば簡単な防壁にもなる。。
(そうならないといいけど)
そう思いながらも、最悪の事態を考えて、探索者は車を使っていた。
もちろん、この方が疲れないという利点も大きい。
いくら力があるとはいえ、やはり荷物を引っ張るのは疲れる。
歩くのもだ。
こうした疲労を避けるためにも、エンジンで動く車両の必要性は高い。
必要性は低下しても、役立つ場面は多い。
運転の手間と引き換えにしてもだ。
(さてと)
車を走らせながら、ソウマは空間探知をはじめていく。
怪物の姿を探すために。
索敵範囲を拡大して。
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