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3 拾った仕事と求められる要望

「さてと」

 サユメを帰し、あらためてこれからに向き直る。

 これからは本当に大変になるからだ。

 ソウマが持ってる能力を使っても。



 宅配便、あるいは運送業。

 ソウマがやろうとしてるこの仕事、今ではかなりの危険な仕事になってる。

 大都市内ならともかく、少しでも野外に出るとなると、命の保証はない。

 怪物があふれて、そこかしこにいるからだ。



 この原因となった大災害が起こったおおよそ10年前。

 人類は勢力圏を大きく削り取られた。

 そこかしこで発生した怪物によって、多くの人が血の海に沈んだからだ。

 以来、生き残った人々は寄り集まって身を守ってる。

 小規模な村や町のほとんどは消えた。



 しかし、全く無くなったわけではない。

 農業や工業など、その地域でしかできない事もある。

 そういった場所には、防衛用の駐屯兵力が置かれたりしてる。

 そういった場所への物資輸送は必要不可欠な仕事となっている。



 このため、怪物を撃退できるだけの能力が求められる。

 ある程度レベルを上げた者が従事しなければ、生還すらも危うくなってるからだ。

 ソウマがやろうとしてるのはこの仕事だ。



 その為に探索者組合に向かう。

 旅団を辞めた直後であるが、時間を無駄にするわけにはいかない。

 仕事があるかどうかはこれから絶えず確認せねばならない。

 これがこれからの仕事になるのだから。



 卸売屋や問屋などに直接出向いても良いのだが。

 探索者として活動して、そこそこにいろいろな事をおぼえはした。

 だが、まだ人脈も伝手もないに等しい。

 なので、今はよく利用した探索者組合を利用する。

 ここに来れば、危険な運送以来がほぼ確実にあるからだ。

 いずれは業者との直接の接点をもっていくつもりだが。



 そんなソウマの目論見通り、探索者組合には様々な依頼が存在している。

 その中でも、特に放置されがちな依頼を拾っていく。

 いずれも小規模な運送業務だ。

 大手が扱うには小さすぎて利益にならないものだ。

 それをソウマは拾っていく。

 個人運営の宅配業者ならば、十分に稼げるからだ。



 そして、そんなソウマにはもう一つの要望が告げられた。

 他に頼めそうな人間がいないと言われて。

 そうして引き合わされたのは、新人探索者だった。

 佐々ささなみオトハという女子である。

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