28 儲けは少なくても、結局は己のためになると信じてる
翌朝。
「おはよう」
「おはよー」
「おはようございます」
三者三様の挨拶をしながら一日が始まる。
やる事は変わらない。
配達をして、行く先で怪物を倒す。
この繰り返しだ。
サユメが加わった事で戦力を得たソウマ達は、難なく怪物を倒していく。
村や町の周辺に掬ってた怪物で、生き残れたものはいない。
ソウマとオトハが確実に見つけ出し、サユメがとどめを刺していく。
この連携で、人里の近くに居た怪物は軒並み殲滅されていく。
夜は夜で、ソウマが一人で更に離れた所にいる怪物を倒しにいく。
いずれ人里近くにまでやってくるだろう怪物ども。
これらが人の目にとまる前に消していく。
その分、配達には遅れが出る。
二日もあれば、都市に帰ってこれたものが、4日にのびる。
怪物退治で足止めを食らうから仕方ない。
なので儲けも増えるのだが。
増加した日数分、経費も増える。
そう考えると、怪物退治の利益はわずかなものだ。
これなら、荷物運びに専念した方が良い。
だが、ソウマは気にせず怪物退治を引き受けていく。
「村や町が潰れたら、俺たちが困るから」
農地にしろ工場にしろ、必要なものを作ってる。
そこが怪物に襲われたら、今後の生活が確実に困窮する。
そうならないように手を打ってる。
ソウマからすれば、誰のためでもない、巡り巡って自分のためでもある。
「それで小遣いが稼げるんならありがたい」
この見解をきいて、
「なるほど」
とオトハは納得し。
「がめついなー」
サユメはやや呆れてる。
「そこも兄ちゃんらしいけど」
そんなこんなで二回目の営業も無事に終わり。
あわせて5件の怪物退治もこなした。
配達で3万円、怪物退治で11万円。
更に、食券と宿泊券と燃料の現物支給。
3人での稼ぎと思えばそう悪くはない。
「それじゃ、今回の割り当て」
言いながらソウマは3万円をオトハとサユメに渡す。
食券・宿泊券も配っていく。
「ありがとうございます」
「まいどー」
受け取った2人はありがたく頂戴する。
そしてソウマは、手にした金で必要なものを揃えていく。
手にした金額はソウマが多いが、その分経費などを受け持ってる。
それらを支払えば、手元に残る金はオトハやサユメとさほど変わらない。
それでも事業主としてはやるしかないとソウマは思ってる。
一回の配達の利益はさほど多くはない。
これを保つためにも、仕事をこなしていく事になる。
自転車操業はまだまだ続く。
ここで第二章終了。
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「崩壊世界で独立開業」の第2章が終わったところで
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