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崩壊世界で独立開業 ~怪物あふれる地球になったけど、個人事業主として地道に稼ぎます…………なお、かわいい女の子がついてきたのは予定外~  作者: よぎそーと
2章 業務拡大中

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22 幻を見せることで、姿を消す

 最初の退治依頼は4件目の配達先。

 近くにある廃墟となった住宅地で怪物を目撃したという。

 これが少数の小鬼ならば住人だけでどうにかするのだが。

 中に何匹かの大柄な怪物がいたという。

 なので、念のために探索者に依頼を出したという。



 当然報酬も渋い。

 総額2万円だ。

 命がけにしては報酬は安い。

 だが、ソウマにとってはおいしい儲け話になる。



 こうした仕事の手間で面倒なところは、探す事だ。

 怪物がどこにいるのか、どこに潜んでるのか。

 見つけるのが大変になる。

 また、住宅地というのもやっかいだ。

 建物が視界を遮り、不意打ちを受けやすくなる。



 しかし、ソウマは違う。

【時空】の能力で敵がどこにいるのかが分かる。

 周辺の状況を把握し、位置を確認できる。

 これをホログラフィのように空中に表示する事で、他の者に伝える事も出来る。

 探す手間が消えて、奇襲の危険も消せる。



 加えて、オトハの【音響】がある。

 音の出所を探る事ができるので、動いているならその足音などを拾う事ができる。

 呼吸音もだ。

 もっとも、極端に遠く離れたり、小さすぎると聞き逃してしまうが。

 それでも、周辺50メートルくらいなら、たいていの音を拾える。



 探索や探知については何の問題もない。

 あとは、怪物を倒せるかどうかになる。



 なのだが、これもさほど問題は無い。

 オトハはまだレベルをあげねばならないが、ソウマとサユメは違う。

 探索者として活動してきた事でレベルを上げている。

 特にサユメは、こうした身を隠す場所において猛威を振るう。



「じゃあ、頼む」

「はいっす」

 怪物の位置情報をソウマに示されたサユメは即座に行動を起こす。

 怪物の潜んでる廃墟。

 かつての一戸建て住宅に向かっていく。

 その姿を消しながら。

 サユメの持つ【幻影】の能力だ。



【幻影】はその名の通りに、幻を発生させる。

 立体映像といえば良いだろう。

 この能力を育てる事で、今では周囲の風景を自分にかぶせる事ができる。

 姿形が見えなくなる。

 おかげで、潜入潜伏、奇襲を有利に進める事ができる。



「オトハ、音を消してやって」

「はい」

 加えて、このように音を消すことも出来る。

 接近するサユメのだす足音。

 これを完全に消去する。

 怪物周辺の音を遮断する事で。



 当然、怪物も異変に気づく。

 声が出せない、何を言ってるのか分からなくなるのだから。

 だが、それを伝えようにも言葉が出ない。

 何が起こったのかと混乱するだけだ。



 そこにサユメが襲いかかる。

 鍵もかけず、ガラスも割れた窓だけの家だ。

 侵入するのは簡単だ。

 しかも姿が見えない。

 怪物は自分たちに近付く姿も、家に入り込んでくるのも目にする事はない。



 そんな無防備な怪物の急所に、サユメは小太刀を突き刺していく。

 簡単に、淡々と。

 探索者生活で身につけた慣れた動作だ。

 レベルによって強化された身体能力もあいまり、あっさりと怪物を倒していく。



 さすがにこの時ばかりは表情も引き締まる。

 隠密性が求められるだけに、口を閉じて気配も

殺す。

 たとえオトハによって音を消されていてもだ。

 わずかでも怪物に気取られないように細心の注意をはらっている。 

 おかげで怪物の中にサユメの接近に気づくものはいなかった。



 こうして最初の怪物どもは倒されていく。

 この場にいるもので全てではないが、まずは近くにいたものを始末していく。



「終わったよ」

 無線機でオトハは報告をする。

「小鬼が5匹。

 他は見当たらない」

「おう、こっちでも確認してる。

 他には何もいないはずだ」

 ソウマも周辺を探索探知する能力で様子を見ている。



「撮影はしているな?」

「もちろん」

 証拠となる動画撮影もぬかりない。

 倒すと霞となって消えるのが怪物だ。

 証拠として首を持ち帰るといった事ができない。

 これに対処するために、カメラによる撮影は必須となっている。

 でないと、報酬を受け取る事ができない。



 これを見越して、サユメはカメラを装着して動いている。

 動画として怪物が倒れて消えていくところをだ。



「それじゃあ、次に行くぞ」

「はいっす」

 ソウマの指示を受けて、サユメは次の怪物の所へと向かう。

 今度は少し離れたところになる。

 そこまで車で移動し、適度な所から接近していく。

 オトハの能力でエンジン音を消しながら。



 こうして奇襲を受けた怪物共は次々に死滅していった。

 戦闘らしい戦闘にもならない。

 だが、これで良い。

 一方的に有利に敵に倒せるのが一番だ。

 損傷や損害を受けずに済む。



 正々堂々と切り結ぶ必要は無い。。

 これはそうするしかなくなった場合の最後の手段。

 ソウマはこう考えている。

「卑怯が一番だ」

 労力を最小限におさえる事が出来るのだから。



 ただ、目撃されたという大柄な怪物には手を出してない。

 居場所は分かってるが、敢えて避けている。

 周囲の小物を処分するために。



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