21 二回目の営業、今回は怪物退治も入ります
「本当にすまん」
念のために連絡をとった古巣の旅団。
その旅団長からは何度も頭を下げられ。
「でも、サユメの事は頼む」
とどめにこう言われてしまった。
返品が不可能な事を悟り、ソウマはサユメを引き取る事にした。
「なら、今日からはがんばってもらうぞ」
「はい!
祝館サユメ、探索者としてがんばるっす!
敬礼をして宣言をするサユメに、ソウマはまだ「はいはい」と気のない返事をした。
ただ、サユメが入った事で出来る事が増えたのも確か。
言動や態度はともかく、戦闘力は確かな人間だ。
これなら怪物退治も引き受ける事ができる。
早速、探索者事務所で仕事を選んでいく。
宅配と共に、怪物退治も。
ありがたい事に宅配に向かう先での怪物退治が何件かある。
それをありがたくいただいていく。
いずれも報酬額が小さいものばかりだ。
しかし、配達のついでと思えば悪くはない。
これらをまとめて受諾。
軽ワゴンに乗って都市の外へと向かう。
目的地に向かうまでは静かなものだ。
オトハは助手席で超能力を使って周囲の音を拾ってる。
異常を即座に見つけるために。
同時に、超能力を使って経験値をあげるために。
なお、ソウマも能力を使って周囲の様子を確かめてはいる。
しかし、運転しながらだと集中するのが難しい。
なので、移動中の周辺警戒はオトハに任せている。
サユメは後ろの席で静かに座ってる。
出番が来るまでは大人しくしてるのは、旅団時代からだ。
普段は騒々しいが、こういう時に控えることは出来る。
暇つぶしのために携帯ゲーム機を持ち込んでるのはご愛敬。
それくらいはソウマもとやかく言わない。
こうして都市周辺から郊外へ。
人が消えた住宅地から、まだ人の手が入ってる農村へ。
荷物の配達をしていく。
その途中で、怪物退治の依頼をこなしていく。
車を降りたソウマ達は、目撃情報を頼りに怪物の捜索と殲滅へと向かっていった。
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