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ゆるうま食べもの備忘録  作者: 時雨笠ミコト
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カレー難民

カレー美味しいよね

 皆様、カレー、お好きでしょうか。

私は好きです。三食カレーが許容できる程度には好きです。まあ四食連続になるとさすがに苦言を呈しますが。

ただ問題がありまして。辛いの、苦手なんですよね。食べられない。

丸っきりと言う訳ではありません。多分基準値より耐性が低いだけなんです。具体的にどのくらい、と言われると、「市販の中辛がものによっては食べられない程度」と表明しておきます。

ジャワカレーに至っては甘口すらひいひい言いながら、水を相棒に食べてます。美味しいのに。

なので我が家では、カレールー購入に際しての考慮点が値段、成分、に合わせて『私がギリギリ食べられるか否か』が増えているんですよね。

だから冒険が出来ないわあと快活に笑われた時はちょっと罪悪感が出ました。

そんなぴいぴいわめく私に友人が差し出した手がありました。

曰く、「グリーンカレーならどうよ」とのこと。普通のカレーと辛さの種類が違うからいけるのではなかろうか、と。

試してみました。駄目でした。確かに辛さはなんだか……ベクトルの違う辛さだったんですけど、違うが故に耐性がないというか、何と言うか。すまぬ、友よ。ありがとう。


 辛さって、つまるところ痛みだそうで。じゃあ私は痛みに弱いのかとどこか納得。

激辛系をぽんぽん食べる家族を横目に、この人たち痛みに強いのかと武者修行をする侍か何かを見る気持ちになっていたり。

耐性獲得やら、別の辛さのアプローチは駄目だった。

でもカレー食べたい。

この相反する二つの意見をなんとか落ち着かせるための対処がこちら。

『カレーが辛くなくなる魔改造』である。

でも薄くしたりなんかしちゃったら、何のためにカレーを食べているのか。まずいカレーはお断りだ。

という事で、美味しく改造してみました。

まず分量をいじる。こうすれば美味しく食べられるよというメーカーの善意を、申し訳ないが全力で無視させていただく。

具体的にはジャガイモと人参の分量をガツンと増やす。特にジャガイモ。そしてかなり大きめに切って、後は大体パッケージ通りに焼いたり煮たり。

これの難点は鍋と火との三つ巴の闘いになることだろうか。火が通り切ってない個体が出たり、逆にグズグズになったり。具沢山すぎて鍋が悲鳴を上げたり、ルー単体の楽しみがほぼ消えるなどもあるけれど、赦せ。これも私がカレーを食べるための必要な犠牲というやつだから。多分。

 そして食べる時に、下品にならない程度にジャガイモを崩しながら食べる。デンプンって偉大である。なんか緩和してる気がする。

ただ普通のカレーより、なんだか濃度が上がっている気がするけど。だって掬い上げたらポテッて皿に落ちるんですもの。まあ濃厚なのも美味しいからいっか。

日によって人参がサツマイモになったり、カボチャが乱入したり。甘く美味しい野菜たちの力を過剰なまでに借りて、なんとか私はカレーにありつける。

鍋は毎回限界を訴える訳だが、そっと訴えを無視しておく。許せ。ほら、家族も具沢山カレーを喜んでるし、本望だろう君も。

ありがとう野菜。ありがとう農家の人。感謝永遠に。


 ここまで改造を書いておいて何だが、結局最後に待つのは乳製品の暴力だと思う。これは同志も多いはず。

チーズ乗せて、牛乳で消火して、食後はヨーグルト。

牛さんが居なきゃもう生きていけないレベルでおんぶにだっこである。

だからどうか分かってほしい。カレーを一口食べる前にさっさとチーズをのせてしまうのは、一口も食べずにソースやしょうゆを料理にかけるのとはちょっと違うのです。

そうしないと食べれないんです。食べたとして、口を覆って冷蔵庫にダッシュして牛乳を求める亡者が爆誕するんです。

貴方のカレーを最初から最後まで美味しく食べるための、ささやかな抵抗なのです。

「このカレー辛くないよ」って?

信じて食べて、相手の想定より耐性が低かった事星のごとし。

大変申し訳ないが、私の舌を完全掌握するその日まで、ちょっと我慢していただきたい。

そんなこんなありつつ、私は凶も楽しくカレー難民である。

企業努力とスパイス伝来、万歳!



辛さ耐性が欲しい……切実に!

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