第四話 「紅と緋の結束」
「決まってるだろ?…共闘だ」
そう言い、微笑するレイン。
だがその間に巨大妖怪の弾幕が二人に襲いかかる。
「何この大きさ?!」
巨大妖怪が放った弾幕は文字通り巨大で、一発放てば紅魔館を包み込むことができるほどの大きさだった。
「ウォオオオオオオンッッ」
巨大妖怪がそう声を上げた時、無数の弾幕が二人を襲う。
「(こいつ、弾幕が大きいわけじゃない!魔力量が多くて、弾幕の扱い方がすごく上手いんだ)」
レミリアがそう思想する。
「相当厄介な妖怪だな…長期戦に持ち込まれたらこっちの体力が持たない…レミリア、短期決戦だ。一秒でも早くケリをつけるぞ」
「…わかったわよ」
レインは相手の情報を読み取ることにおいては天才と呼ばれている。このことにはレミリアも一目置いている。
「神罰・幼きデーモンロード」
レミリアの弾幕が巨大妖怪を覆う!
「(あれで巨大妖怪の無数の弾幕と相殺し合う!今がチャンス…!)」
レミリアの突き出した手から紅色の槍が出現する。
「神槍・スピア・ザ・グングニル!!」
レミリアの槍が紅色のオーラを纏いながら巨大妖怪に直進する!
だが…
ヒュヒュヒュ、と巨大妖怪の弾幕が交差する。
「(あれは…弾幕が弾幕を避けている?!)」
レミリアの放った弾幕は巨大妖怪の弾幕と相殺し合うようになっていたが、巨大妖怪の巧みな技術力によって、レミリアの弾幕一つ一つを躱していた。
そして、レミリアの弾幕を全て避けきった今、グングニルとの直線上にそれは置かれた。
再び弾幕は融合し、そして――
「(やばい――)レミリア!!」
爆ぜる。
ドオオオオオオオン、とすさまじい轟音と共に熱風が紅魔館に叩きつけられる。
「大丈夫か、レミリア」
砂煙の立ち込める中レインは声を上げた。すると…
「大丈夫、レミリアは無事だわ」
一言、聞き覚えのある声がレインの耳をつく。
「…やっぱりお前、来てたのか」
レインの視線の先には意識を失ったレミリアを抱えた、黒髪で緋い服を着た少女が立っていた。
レインはその少女の名前を呼んだ。
「――霊夢」