表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/107

第九話 現人神、最初の方針を決める。






 白夜はコウハクと今後について語り合おうとする。

 だが、またふと疑問が湧いてくる。


(ん? 待てよ? そういや、さっきの『命名の儀』で、ステータス変動があるんじゃないか? 確認しておくか)


 先ほどの命名の儀により、ステータスに変動が生じているはずだ。

 自身の特殊能力値が減り、コウハクの特殊能力値がアップしていることだろう。


「コウハクよ。ちなみに俺達の今のステータスって、どうなってる? すまんがまた<解析アナライズ>で見せてもらってもいいか?」


 白夜はそう言って、コウハクの頭に手をポンと載せる。


「――っ! はい! こちらです!」


(気合のこもった良い返事だな。もっと軽くやってくれていいんだが……)


——————————————————————————


名前:くれない 白夜はくや

性別:男性

年齢:十八歳

種族:現人神あらひとがみ


ステータス

LV:1→3

HP:5→15

PW:5→15

MP:5→15

DF:5→15

IN:50

SA:25→20→コウハクへ5授与


種族特性

<飲食不要>

<天使系魔法適性>

<自動回復(中)>


保有スキル

マスタースキル<削除デリート

認識したものを削除する

一日一回のみ使用可能


マスタースキル<創造クリエイト

理解したものを創造する

一日一回のみ使用可能


——————————————————————————


——————————————————————————


名前:賢者の現人神あらひとがみ→コウハク(紅印)

性別:女性

年齢:十二歳

種族:現人神あらひとがみ


ステータス

LV:1→2

HP:5→10

PW:5→10

MP:25→50 

DF:5→10

IN:60

SA:5→10←ハクヤより5受理


種族特性

<飲食不要>

<天使系魔法適性>

<自動回復(中)>


保有スキル

ハイパースキル<解析アナライズ>→マスタースキル<全知アンニシャス

触れたもの、完全に認識したものを解析する

解析結果を他者と共有できる

記憶した事象を忘れることがない


——————————————————————————


 ステータスを確認してみると、いつの間にかレベルアップしていた。


(あれ? 俺レベル上がってる。やったぜ。でもここに来てから別にモンスター討伐とかしてないんだが……レベル上げの条件が何かあると見た。まぁその条件が何なのか全く分からないが……おいおい調べておくとしよう)


 コウハクはレベルとスキルが強化されている。

 種族名に白夜の苗字の刻印のようなものが掘られている。

 ――命名の儀の効果だろう。


(……おや? レベルアップで前と同じステータスに戻ったか? ちょっと安心した。というかステータスの上がり幅がやばい。MP一気に50とかすごいな。なるほど。前の種族じゃ1レベル上がっただけじゃ、ここまで上がることはなかったんじゃないか?)


 ちらっと横顔を伺うと、ニコニコしながらこっちをじーっと見つめていたので、素直に喜んでくれてそうだ。

 ――良かった――と白夜は思い、胸を撫で下ろしてホッと一安心する。


(あ、PWも上がってる。ということは、ロケットの威力も上がってんのか……)






 めちゃくちゃ不安になった。






(……マスタースキル<全知アンニシャス>。大層な名前だな。元々あったハイパースキル<解析アナライズ>が、特殊能力値が上がって進化したのか? 触らずとも解析と共有ができるようになっている。これはすごい。それと、完全記憶能力まで付与されている。――何それ怖い。迂闊に失言できなくなってるぞ。恐ろしい……。コウハクが俺の黒歴史ノートにならないように、細心の注意を払わなければ)


 とりあえず、これくらいで現状のステータス確認を終えておく。


「おぉ。よかったなコウハク。俺達パワーアップしてるぞ」


 横にいるコウハクに対して、満足気に頷きながら答える。


「はい! 主人さまのおかげです! ありがとうございます!」


(うむ。やはり謝られるより、感謝されたほうが心地いいな)


「どういたしまして」


 そう言って頭を撫でておく。


「あっ、えへへ……」


 コウハクは少し恥ずかしそうに俯いている。


(ふむ。大分仲良くなれたかな? ……あ、そういえば、もう触らなくても情報共有できるんだから、頭に手をおく必要もなかったのか。いかんいかん。安易なもふりはもうしないと、心に決めたのに)


 白夜はサッとコウハクの頭から手を離す。

 すると、コウハクが「あっ……」と声を漏らし、しゅんとして物凄く名残惜しそうな表情をする。


(……え? なんで? 何が気に食わなかったんだ? わからん……)


 新たに増える謎は取り敢えず置いておき、本来の目的を思い出す。


(――いかんいかん。さて、そろそろ本題に入ろう)


 少し寂しそうにしているコウハクを余所に、白夜はある提案を出す。


「よし、じゃあ今後の方針について考えようか。色々あって結構お腹一杯なんだけど、ここは異世界だよな」

 

 そう。色々ありすぎてちょっと忘れていたが、ここは異世界なのだ。

 現実世界には無かった、あれやこれやがあるかもしれない。

 そう思うだけで、白夜の冒険心が自然とくすぐられる。


「……はい。そのようですね」

「色々冒険もしてみたいが、まずはこの世界について知ることが何よりも大事だと思うんだ。コウハクはどう思う?」

「まさにその通りかと」


 コウハクも同意見と頷く。


「ふむ。そこでだ。……まず、俺はあの建物に向かってみようと思う」


 そういうと、ここから少し先の方にある建物を指差す。

 最初に草原を見渡している時に見つけた、黒い大きな塔のような建物だ。


「……あの黒い、大きな塔ですか。遠いため、詳しく確認できませんね……危険やもしれません」

「ふむ……確かにな」


 確かに安全とは程遠い、危険を顧みない行為だろう。

 もしかしたらあの城には善良な者が住んでおらず、こちらを見た瞬間に『死ぬがよい』とか言われて襲われる危険性もある。

 だが――


「そうだな。危険が潜んでいるかもしれん。だが、まぁ、ここでぼーっとしているわけにもいかないし、安全を確保するための危険と割り切るしかない。まずは少し近づいてみて、様子を見てみようじゃないか」

「……かしこまりました。主人さまがそう言うのでしたら」


 コウハクの不安も分かるが、ここで立ち往生しているわけにもいかない。

 何よりもこの世界についての情報が少なすぎる。

 あれほど大きな建物ならば、少なからず人が居ることだろう。

 もし善良な者が住んで居たならば、そこで情報収拾が出来るかもしれない。

 リスクも大きいがリターンも大きいだろう。


「よし! んじゃ、とりあえずあそこへ向かうとしよう。行くついでに神様のことについて、簡単に教えてくれ」


「――! はいっ! かしこまりました! ご教授致します!」


 コウハク先生による神様授業を歩きながら聴きつつ、白夜達は黒い建物へと足を運ぶのであった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 
閲覧頂き、感謝致します!
 
↓連載中小説↓
『紅 白夜、神になる。』

『ヒトリボッチの保智一人』
 
お気に召された方は
ブックマーク評価感想
などしてやって下さい。
筆者が大層喜ぶそうです(爆)
 
また、こちらのランキングにも参加しております!
―小説家になろう 勝手にランキング―
こちらもポチりとしていただくと筆者が(以下略。
 
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ