ヘビの想い。エリックの力。
俺はこの試合を待ちわびていた。
「先生、俺は貴方を超える為に今まで特訓してきた!だから今日は全力でお願いします!」
俺はダメなやつだった。
俺に特異魔法の適性があると知ると、周りのやつらはみんな俺を褒めてくれた。
だけど一向に特異魔法は使えるようにならなかった……
みんな俺から離れていった。俺に興味を失った…
それでも先生だけはそんな俺に才能があると言ってくれた!
俺は先生をこの世で最も尊敬してる。だからこそ、先生を超えて、俺はやっと一人前になれる。
「ヘビよ…ぬしがどれだけ強くなったかを見せてもらうかの」
先生は同時に4つまで魔法を使える。
俺は2つまでしか使えないから、正面戦闘はどう考えても不利だ。
となれば不意打ちを狙うか、一撃で決めるかのどちらか…
「行きますよ…先生」
やっぱり、不意打ちなんてして勝っても嬉しくねぇよな!
俺は体中の全ての魔力を腕に込め、解き放つ
「サーマルエクスプロードォオ!!」
俺の腕から放たれた紅く輝く光は先生に着弾し、大爆発を起こした。
……
………
…………
しばらくの静寂の後、闘技場を覆っていた熱気と蒸気が全て散った。
「ヘビよ、腕を上げたが……ぬしは素直すぎるのう」
俺の全魔力を正面から受けて無傷…か…
「やっぱり、先生には勝てないな」
俺はまだまだ先生には及ばないことが分かり、ショックだったけど
それ以上に先生の弟子であることが誇らしかった。
ヘビは特異魔法以外に適性がありません。




