転生者狩り
場所はまた変わって客間に
「それで…転生者の秘密って?」
俺もこいつも転生者だ。しかも同じ日本人、何か関係があるのか?
「秘密ってよりかは情報だな。信じてもらえるかは分からないが……」
なんだ?
「俺たちと同じ転生者で時を逆行してるやつがいる。そしてそいつは転生者狩りをしている」
「時を逆行?どういうこと?」
意味がわからない。
「分かりやすく言えばタイムスリップだな。転生者ってのは総じてなんらかの能力がずば抜けてる、あんたなら魔力、俺なら生命力って感じでな」
だから俺の攻撃が効かなかったのか
「その魔力とか生命力とかを狙って転生者を殺してるやつがいるんだよ。しかも、タイムスリップなんてチートを使ってな」
「ステータスが高い人をなぜ狙うの?目的は?」
「そこまでは知らねぇ。俺はこの話を人から聞いただけだ。わけあってその人のことは言えないが、信用できる情報だ」
「今の話が本当だとして、タイムスリップなんてされたら対処しようがない」
過去の自分を殺されたらどうしようもないからな。
「いや、そいつは転生者を殺す時必ず俺たちの前に現れる。確証はないが、やつは転生者の一番強い時を狙ってるらしい。やつにとっては未来の人間かもしれないが、俺たちからしたら今の自分だ」
「もうすでに被害者はいるんですよね?」
転生者狩りをしているって言うくらいだ。もう被害は出てるはず。
「勇者シンヤって知ってるか?そいつ大昔の転生者なんだよ。俺が昔聞いたディラン王国の伝承では老衰で死んでる」
それは俺も知ってる。1年くらい前にエリックさんが言ってたからな。
「でも、つい最近だ。伝承が変わった。強大すぎる力を持つ勇者は民から恐れられ暗殺されたってな」
「えっ……それってつまり…」
「大昔の勇者は転生者狩りに殺された。しかも俺たち転生者しか変化に気がつけないみたいだ」
……
………
…………
話すだけ話してアスカは帰って行った。今度また来ると言っていたが
タイムスリップ出来て、勇者を殺せる狩人ねぇ…俺の命脈も尽きたかな…
「はぁ…」
「お姉様?どうされたのですか?あの男と何を話していたのですか?」
ごめんなメリル、お前にも話せないよ。
「大したことじゃないよメリル、故郷のことを少し話したの。今日はいろんなことがあって疲れてただけだから心配しないで」
俺はどうすればいいのだろうか
今日は頑張って寝ます!生活リズムを戻すんや!




