ジャンヌの覚悟とメリルの誓い
俺はクレイと分かれてメリルの元にやって来た。
「メリル!」
俺は覚悟を決めた。女性に厳しく当たったことはないが、言わなければならない。
「お姉様!隙を見て逃げ出せたので……す…ね…」
「メリル、私がなんで怒ってるかわかる?」
そう、俺は怒ってるんだ。
「わ、私は…ただ、お姉様のことを思って!」
「人が死ぬところだったんだよ?」
クレイだから無事だったが、普通の人なら死んでた
「……ぅぅ」
「メリルが私のことを好きでいてくれるのは素直に嬉しいよ。でもね、やりすぎだよ」
俺はなんやかんやで甘いのかもしれない。怒っていると言っても怒鳴ることなど出来ない。
「私には…お姉様しか……お姉様だけが…」
メリルは力なく膝から崩れ落ちた
「メリル、誓って。もうあんなことしないって」
俺はメリルに抱きついていた。
メリルが壊れてしまいそうだった……
触れていないと不安だった……
「お…姉様……お姉様ぁ……ごめんなさいぃ……お姉様ぁ…」
「うん…いいんだよ……それで」
暗い路地裏、2人だけの空間で俺とメリルは泣いた。
……
………
…………
よくよく考えたらものすごい恥ずかしいことをしてしまった……
メリルもずっとうつむいてるし。
「お姉様…私はお姉様のことが好きです。私にはお姉様しか居ないのです。私の世界にはお姉様だけしか存在しないのです。私は決してお姉様を裏切りません。永遠の忠誠を誓います。……だから…だから、私のことを嫌いにならないでください……お姉様…」
「大丈夫だよ、メリル。私のことをこんなに好きでいてくれる子を嫌いになるわけないでしょう」
素直になれば、こんなにいい子だからな
すると、メリルが涙を流しながら笑顔で膝をつく
「私メリル・ヘルゴウンはジャンヌ・アルデバラン様に一生ついて行きます。たとえ行き着く先が地獄の果てだとしても」
うぉいっ!
「ちょっ、ちょっと顔あげてよ。私とメリルは姉妹みたいな関係でしょ!」
妹を跪けさせるのは心にくるからやめてくれ!
「はいっ!お姉様!」
……
………
…………
それから少し経った帰り道
「明日、クレイさんに謝りに行くからね」
「えっ」
「当たり前でしょ」
「分かりました…」
そういえば
「私たち、面識もなかったのに、なんでこんなに私を慕ってくれるの?」
俺たちは出会ってから間もないし、優しくしてきたつもりだが、それだけでここまで慕ってくれるとは思えない
「それは内緒ですっ!」
その笑顔は今までで一番眩しく見えた。
真面目な話を書くのは大変ですね。




