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現代知識で異世界無双したかったよ……  作者: リン
最終章 ジャンヌ・アルデバラン
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感謝と謝罪、そして決着

「ソウルディストーション」


きついな……死神の動きに対応するには身体能力を偏らせるこの魔法が必要不可欠だけど、魂の密度を偏らせて身体能力を上げてるから体が軋む


「ガァアァア!」


どうにか外側から意識を奪えれば勝ち目はあるんだが……狂人化してる死神相手にそれは難しい


「おっと…」


死神の腕が頬を掠り、少し血が滴る


そうか……チャンスは1回しかないけど、これならいけるかも


……

………

…………


死神が部屋中を疾走する。だがその狙いはジャンヌのみに絞られており、すでに倒れたクレアやレイジを狙う様子はない


ジャンヌは強化魔法や特異魔法を駆使して死神の猛攻を躱し、防ぐ


側から見ればそれは危なっかしいものだったろう。全てを躱してはいるが、全て紙一重だ。いつ当たってもおかしくない


「大丈夫だ。今の俺は1人だけど、1人じゃない」


ジャンヌは攻撃をいなしながら呟く


「俺の為に沢山の人がこの作戦に協力してくれた。もちろん死神の行いを止める目的の人が大多数だろうけど、それでも俺を救う作戦に参加してくれた」


だから俺は1人じゃない


「ここに至るまでに沢山の人に救われた。この世界に来てライラさんに拾われた。エリックさんに弟子入りした。ダンジョンでディーノとファントムに出会った。メリルと会って妹が出来た。アスカと会って一緒に特訓した。魔闘会でエリックさんに負けて悔しかった。アルラウネの召喚に成功した時嬉しかった。ウェディングドレス着た時にクレイに勝手にキスされて気持ち悪かった。ベリアルさんに右腕になれるって言われて感動した。不夜の平原でクレア様に助けられた。学園で教師やって楽しかった」


本当に沢山の思い出がある。全てが大切な物だ


「魔大陸に飛ばされたり、アヴァロンで大変な事件に巻き込まれたり、ヘラクレスと戦争したり、ロキと戦ったり……辛いことも沢山あった。でも、俺はそれでもこの世界に来れて良かったと思ってる……」


この世界に俺を連れてきたのは紛れもなくお前だろ


「ありがとう、死神。あと、ごめんな」


その一言と同時にジャンヌの掌から放たれた魔法は死神の腕を吹き飛ばした


……

………

…………


「う、腕が……」


そうだ……狂化して忘れていた……義手


宙を舞っているのはマサヤに作って貰った義手だ


「我は死を恐れる」

「我は生を求める」

「汝は死を司り」

「汝は生を憎む」

「全ては生と死の円環」


死神はすでに狂化を解きつつあった。だからこそ義手が吹き飛ばされて隙が出来たのだ


「ソウルドレイン」


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