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現代知識で異世界無双したかったよ……  作者: リン
最終章 ジャンヌ・アルデバラン
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舌戦勝利

あぁ……ここは暗いな……


もう自分が何者であったかなんてよく思い出せない。私は悪魔だ……人を傷つけ封印された哀れな悪魔……だけどその記憶に意識はなく、あるのは残った結果だけ


ハッキリと思い出せる記憶など無い……いや、正確に言えば思い出したところでそれがいつの記憶なのか分からない。一番新しい記憶だっていつもと変わらない暗闇なんだから


その時、何かが壊れるような音と共に眩い光が現れる。それは小さな光だったが、私にとって唯一の光……救いの神だった


「貴方はこんな所に居たのね……今、解放してあげる」


その人の容姿は分からない。永遠とも呼べる長い時の中で光なんて無かった目が慣れず、どんな人か視認することが出来ない


その人は私の肩に突き刺さっていた剣を引き抜いてくれた。体から失われていたはずの力が戻ってくる。辛うじて動いていただけの心臓がしっかりと血を全身へと運び、脈動しているのが分かる


「貴方の名前はメリル・ヘルゴウン、血は繋がってないけど私の妹」


私が貴方の妹?


この人も悪魔なのだろか?でも、魔王が残した悪魔は3体……無知な私にはこの人が誰なのか理解できない


「大丈夫だよ。今は分からなくても、いつか分かる時が来る。私はもう行かなくちゃならないから、また今度ね」


待って!行かないで!私は……私は!これから……どうすれば……


「次に貴方が私に会うとき、私は何も知らないわ。それでも…貴方はメリル・ヘルゴウン。私の妹。ジャンヌ・アルデバランの妹。それだけは変わらない」


そう言い残して、目の前から霧散してしまった


無知な私にはまだ分からないことばかりだ。でも分かることが出来た。私の名前と姉の名前……


私の全てはあの方の物だということは分かる


……

………

…………


「それから……私は必死にお姉様を探しました。そして流れ着いた大陸中央の国、ディラン王国でジャンヌ・アルデバランという少女が国最高の魔法使いエリック・ウィザリアに弟子入り……そしてダンジョンを攻略したという情報を聞き、お姉様との再会を果たしたのです」


私も神様やってて長いですけど、なかなか泣ける話ですね。ですが……


「たしかに話自体はレアですが、その程度の刺激!神になってから何度も味わってます!もっと他の…」


「何を言ってるんですか?」


へ?


「まだ話は終わってませんよ。今のは私とお姉様の出会い編です。次は私とお姉様のラブラブ同棲編です」


んー?


「ちなみにあと何節あるのですか?」


「全128節ですよ」


……

………

…………


「ま、待ってください!貴方の話は大変刺激的でした!私が操ってる人を解放しましょう!」


私がお姉様の魅力を余すとこなく熱弁していると、法神テミスがそんなことを言ってくる


「いいんですか?まだ4節目ですのに」


「い、いえいえ!お姉様の魅力は十分伝わりました!もうすでに操られてる人は解放しました。私も神々の園に帰るとしましょう。それでは!」


こっちを操っていきなり話をしろと言ってきたからお話ししてあげたのに……変な人…いえ


「変な神ですね」


その言葉を最後に、メリルは白い空間から消えた


……

………

…………


白い空間に1人残った法神テミスがため息混じり呟く


「貴方に言われたくありませんよ……変な悪魔」


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