死の業火
各国で未だに防衛戦が始まる前、ジャンヌ達はディルヴァの背に乗り錬金術師の国アヴァロンを目指し、飛行していた
「クロノス、今の状況を詳しく教えてくれ……俺たちはどうすればいい?」
先程、死神から事のあらましは聞いたが詳しいことはよく分かってないので恐らく事情を知ってるであろうクロノスに聞いてみた
「アヴァロンの王城地下にある空間に……祭壇と呼ばれる場所がある」
「あぁ…それは俺も知ってる。その祭壇がステータスを吸い上げるからあの場所は人が弱るんだよな?」
確か…俺はなんとも無かったがクレア様とかはかなり衰弱してた気がする
「そうだ……祭壇は人のステータスを吸い上げ、錬金術で作られた空っぽの肉体に入れていた。それが今回復活したロキの肉体というわけだ」
「あの空間はキリヤさん達が調べたって聞いたけど?」
「……どうせ悪神のことだ。早々にバルギアを見限り、祭壇の場所を移動させたのではないか?まぁ分からぬが、今黒い魔物を無限に排出しているのもその祭壇だ。まずはそれを破壊しなければならないのう」
チェインが別の仕事してるのが痛いな……国を放っておくわけにはいかないから仕方ないとはいえ
「細けぇ事はいいんだよ。俺達はその魔物製造機ぶっ壊して、クソ女神をぶっ殺せばいいんだ。それでミッションコンプリートだ!」
「アイザックはどうかと思うが、言ってる事は正しい。恐らくだが、アヴァロンには大量の戦力が集まってるはずだ。どうするか…」
「なんかいい作戦ないのー?参謀でしょージェノ」
ジェノは少し考えてから、口を開く
「今のところ思いつくのは2つ、1つは敵の感知範囲外でディルヴァから降りて隠密行動で潜入し、敵戦力と極力戦う事なくロキを暗殺する……」
それが安定な気がするけどな。構造は多分アイザックが分かってると思うし
「妾はなんでもいいが…もう1つはなんだ?」
「主にお前らが得意なやつだよ……あまりオススメはしたくないけどな……」
なーんか……嫌な予感がしてきた
……
………
…………
「ディルヴァで城の周りの魔物やら兵士やらは全てショートカット、ジャンヌの魔法で城を破壊して潜入。そして正面から全て潰す……」
不安そうな表情でジェノが言う
「って!提案したのは俺だけど、本当にそれで行くのかよ!?」
まぁうちのパーティーみんな好戦的だから……あんまり隠密行動とか好きじゃないし
「仕方あるまい、こやつらに小難しい作戦は無理だからな。さっさと行くぞ。ジャンヌ、準備は出来たか?」
「大丈夫、いつでも撃てる」
「そろそろ目的の城に着く、貴様らが降りたら下にいる敵は我が相手をしておこう。早々に済ませてこい」
ロキの城はソウルスティールで破壊したが、今回はあの時のような準備をしていたらロキに気づかれ、魔法陣を設置できないかもしれないの新技で行こうと思う。俺のオリジナルシリーズ第3弾…発動まで時間がかかるのはソウルスティールと同じだが、こちらは魔法陣もなければ体内の魔力処理で終わるので気づかれない
「魔力圧縮……」
移動しながらも、魔力を極限まで込める
「元素魔法構築……1つ……2つ……3つ」
まだまだ行くぞ
「強化魔法構築……元素配置を変更……合成」
これでラスト
「物理魔法構築……射出速度最大……狙いは重力圧縮による一点集中……Hit時に圧縮解除」
「城が見えた!撃て!」
俺のオリジナルの魔法……1つ目は効果の反転…2つ目は元素魔法の融合……3つ目の系統違いの魔法の混合付与だ!
「死の業火!」
俺の頭上に形成された小さな光がアヴァロンの王城へと向かう
城の一部に光が触れた途端城を全て包むような大爆発が起きる
「さすがだねぇ……あんたとことん規格外だ」
ジェノがそう言うのも無理はないだろう……アヴァロンの城は大半が消滅し、残った僅かな所も燃えている。ほぼ壊滅状態に陥ったと言っても過言じゃない
「よぉっしゃあ!行くぞ!これが俺達、死業之衆の最後の仕事だ!」
アイザックの言葉に全員が頷き、崩れた城の地下へと飛び降りていった




