悪の目覚め
「さて、これからどうする？」
「まぁ待機でいいだろ、神託もねぇし」
その時、脳内に声が響く
(そんな話をしてる時にすまないけど、神託だよ。非常にまずい事になった……)
「あぁん？どういう事だ？」
(今回の戦争……僕の見通しでは、君たちを始末する為にゼノムと武王を投入してきたのだと思った。事実、ロキの司祭を倒した時点で悪神ロキはゼノムを戦場へと移動させた)
「だからどうだって言うんですか？俺は今のところ何がまずいのか分からないんですが？」
(悪神ロキはゼノムさえも捨て駒にした。ゼノムと悪魔で戦場を掻き回している間に、錬金術師の国アヴァロンで自身の体を錬成させた。もうすでに悪神ロキは降臨を済ましている)
「はぁ！？あのクソ女神が復活したってのかよ！」
(あぁ…その通りだ。僕としたことが迂闊だった……急遽待機中だったクロノスに向かってもらったけど……流石に間に合わなかった)
「結局ぅ、私たちはどうすればいいの？」
(悪神ロキはもうすでにアヴァロンに黒い魔物を生成するコロニーを設置し、ロキ自身が操作してる。神が使えば魔物は無限に出てくるだろう……君たちはアヴァロンに向かってロキを倒してくれ)
「神様なんて殺せるのか？俺はただの傭兵だ。神殺しの兵器なんかじゃない」
(力は神と同等のものだけど、肉体はそっちの世界で作られたものだ。普通の人間よりは丈夫だろうけど、君たちなら倒せるはずだ)
「チェインとシャドウは？」
(アヴァロンから無限に出る魔物はすでにアヴァロン、ロキ、ヘラクレス、ベレキア、4国同盟以外の国に向かっている。チェインとシャドウは各国にそれを伝えて、防衛戦力の配置の使命を与えた)
「移動はどうする？」
(もうすでにクロノスとディルヴァがそっちに向かってるからディルヴァに乗って行ってくれ………多分これが君たちに与える最後の使命だ。こんな事を言うのは間違ってるかもしれないけど必ず達成してくれ、何を犠牲にしても…)
「一度は死んでんだ、もう失うもんはねぇよ」
「神様の血って美味しそうだよねぇ？」
「俺は高い傭兵だからな、最後の仕事は報酬弾んでもらうぜ」
「この世界…結構気に入ってるんだ。悪神にめちゃくちゃにされるなんて黙って見てられないよな」
(ありがとう……不甲斐ない僕に変わって、ロキを止めてくれ…)
死業之衆の最後の仕事…絶対達成してみせる
……
………
…………
「……あ、あははは！あのクソ供を出し抜いてやった！だから言っただろ死神ぃ！ガキってのは案外頭が回るって！」
黒い王座で悪は叫ぶ
