一方その頃……バルギアVS完全剣士
さて、どうしたものか……私の予定では先程の落下を回避できるものは居ても数名だ思っていたが、どこぞの護衛か勇者が8割ほどを救ってしまった
「おいおい、どういう事だよ。アヴァロンの新王様」
誰か分からぬが私に向かってその態度、仕方ない。ここに居る者共は私が直接始末してやろう…1人殺せば私は勇者に匹敵する力を手に入れる事ができる。そうならばこの場にいる奴らなどすぐに始末できるだろう
「まずは貴様だ。無礼者が……生命錬金、逆流」
我が王家に伝わる錬金術の極地。人間を分解することも可能だ
相手の死を確信した時、そいつは突然現れた
「報告通りだ。ディラン王国の軍総括隊長の名において拘束させてもらう新王バルギア」
……
………
…………
今のが生命錬金か…俺なら防げる
「ディラン王国……やはり好かぬな。我が父同様葬ってくれる」
「やはりか、バルギア。誰にそそのかされた?」
「………」
なにも答えないか……まぁいい、拘束する事は決定だ。後でじっくり尋問すればいい
「この場にいる来客達は手を出すな。バルギアは人を分解する錬金術を使う。たとえ勇者と言えど当たれば即死だ」
「だからってあんた1人で戦わせる訳にはいかないだろ」
お前はさっきやられかけてたろうが
「黙ってみてろ。俺が倒されたら好きに手を出せばいい」
……
………
…………
「生命錬金!生命錬金!生命錬金!生命錬金!ぁぁぁあぁあ!」
なぜ当たらない!視界に捉えるのも一苦労だ!ふざけるな……私はあの方に選ばれたのだぞ
「遅い。ほら当たりだ」
「ぐぁっ!」
肩口を切られた。こいつは私を殺す気がない……舐められている……必ず殺す
「生命れ……」
「終わりだ愚王」
その場に居る者の全てがその男を捉える事ができない
気がついた時にはもうすでにバルギアは倒れていた
……
………
…………
「あんたって……まさか…」
「ん?」
「完全剣士…キリヤ・シラヌイか……?」
やっぱ軍総括隊長って職名だけじゃ、分からないよなぁ……結構長いこと働いてるんだけど、一向に有名にならん




