クレイVSシンヤ
「次は左だ!反応しろ!」
くそっ!早すぎて反応なんて出来るわけない。かろうじて致命傷を避けるくらいだ
「口で言ってやってんだ!絶対死ぬなよ!」
言ってるからってこれは強すぎる……いや、どちらかというと僕の動きが鈍い。ジャンヌの強化魔法はまだ効いてるはずだから、何か力を阻害する魔法か何かが仕掛けられてるのか?
「右と上が同時だ!どうにかしろ!」
同時!?…確かに、僕に対して振られる剣は上からの攻撃と右からの攻撃、2つあるように見える。これで生前の力より劣るっていうんだからどうなってるんだ
「硬化!」
今の僕に回避できるわけもないので咄嗟に硬化したけど、吹き飛ばされたし、血を流しすぎた。そろそろ限界だ
「さっさと起きろ!首一点狙いだ!」
「う…ご……け…」
体が言うこと聞かない…
意識が……
……
………
…………
やばい!殺しちまう!
俺がそう思った刹那、聖剣を持つ腕が吹き飛ぶ
「リミットデフェクト!」
生前の力は無いとはいえ、俺でも反応出来ない速度で何者かが攻撃してきた
「誰だか知らないけどナイス!」
「かはっ!……」
おいおい!倒れちった……
「起きろ!2人まとめてやられちまうぞ!」
俺の意思とは関係なく、左手に魔力が集中する。魔力で形成された虹に輝く刃が現れる
「俺の魔力だ!性能は聖剣にも劣らない!さっさと起きろって!」
……
………
…………
「崩れ……てる?」
やっと呼吸が安定してきた。まさかシンヤ様が召喚?されているとは思ってもなかった……
確実に死んだと思いましたが、シンヤ様の魔力刃が振り下ろされる瞬間、シンヤ様の体から色が失われ崩れていきました
「あの女の子、なんとか間に合ったみたいだな……よしやることやるか」
やること?
「そこの君、ある程度回復したなら俺の近くに聖剣デュランダルを置いてくれ」
果たして渡していいものか……血で分かる。この人はシンヤ様だと……だが今は敵の手中、聖剣を渡した途端に殺される可能性も捨てきれない
「早くしろ!時間がない!もし殺すつもりならさっき殺してる!それに聖剣をわざわざ使うくらいなら魔力刃を作る」
筋は通ってますが……
「キリナさん……言う通りにしてください。僕の聖剣がそう言ってます」
はぁ……選択権はありませんか。吹き飛んだ腕を回収し、聖剣デュランダルを崩れ始めているシンヤ様の足元に置く
「ありがとうな。これでOKだ」
そう言い残すと、完全に体が崩れてしまった




