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現代知識で異世界無双したかったよ……  作者: リン
21章 英雄因子と、悪戯の影編
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擬似死神VS擬似英雄

英雄兵装……取り込んだ英雄になるであろう人物の因子を体に纏い、能力を飛躍的に上昇させる魔法だ


「これで対等だな?」


対等とは言ったが実際は俺の方が強いはずだ。クレア・スペルヴィの英雄因子77は驚異的な数値。たとえこいつが英雄因子99でも俺には宝具が3つある……俺の方が優位だ


「……来ねぇのか?だったら俺から行くぞ!」


存在を希薄にする宝具は効果がないとわかった今、実質的に通用するのは2つ。あの鎌相手に近接は良くないが、接近戦しかないだろうな


……

………

…………


「はぁ…はぁ………なんで、俺が……」


ソウルメルトの残り時間は1分30秒くらい……そろそろ決めないとな


「俺は今!英雄になってるんだぞ!宝具も使ってる!足が早くなる宝具!触れるだけで細胞を破壊する宝具!なんで効かないんだよ!?」


最初に俺の攻撃が当たった時点でステータスが下がってたみたいで、最初ほど強くなかったな……50%減ってところか?鎌強すぎ。それに細胞を破壊する宝具なんて怖すぎるが、この鎧を貫通できなかったみたいだな……


時間もない、ここまで弱らせれば確実に発動できるだろう


「我は死を終わりと考える」

「人の世に生を成し消える」

「憤怒を抱く事それ即ち感情」

「冷静を欠く事それ即ち感情」

「人は心に囚われ死なずして終わらない」


「ソウルバスター」


空中に無数の火の玉のような青い塊が浮かぶ、それらはまるで命のように揺らめき、生なき霊のように漂う


「発動の条件がネックだけど、当たれば即死……さようなら」


無数の火の玉は生命にすがるように男に向かっていき、男の体を蝕む。男の体が燃えるように、溶けるように、消えていく


「あ、あは……あははははは!」

「おいおいおいおい!俺が終わるのか!?」

「俺はお前みたいな殺人好きのサイコパスとは違う!」

「俺は死なない!死ねない!最高の英雄を見るまで!」

「狂ってる?そんなわけない!やめろ!俺に指図するな愚妹が!」

「俺はお前じゃない!血にしか興味を示せない欠陥品じゃない!俺は完成してる!」

「あの方の最高傑作は俺だ!俺なんだ!」


男はまるで何かに取り憑かれたようだ…


「なにが……見えてる……?」


「今日こそが歴史の分岐点だ!」

「俺こそが歴史の体現者であり、全ての英雄の生みの親だ!」


男の体は消え続け……消滅が頭に差し掛かる


「あぁ……終わりなんて来ない」

「今日は人類史的に……最低だな」


男は完全に消滅する


気持ちの悪い勝利だ………


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