港町での再会
「ここが港町フランデリー……本当はもっと早く着いたはずなのに……」
俺は長い空の旅を終えて港町フランデリーに着いた。帝都で悪魔払いの結界をなぜかぶっ壊してしまったばかりに、街には入れず、馬車なら1週間の道のりを空を移動しては街に降りてバイトを繰り返し、早くも1ヶ月経過……
「おっと、そこの人。人族だよな?」
いきなり声をかけられた
「はい。そうですが…?」
「悪いけど、なんか身分を証明できるもの持ってない?最近帝都に現れた悪魔が人族の姿をしてたらしくて、ここで確認してるんだ。港町だから他の大陸から来る人族も珍しくないが、決まりだからな……まぁないなら聖水を浴びてもらう必要があるな」
まさかもうここまで噂が広がってるなんて……
だが……
「これでいいですか?」
「よし、大丈夫みたいだな。ではフランデリーへようこそ」
俺はもうすでに別の街の冒険者ギルドで冒険者登録を済ませてあるのだ!
ランクも割と難易度の高い討伐依頼をこなしてそこそこ上がってるし、信用を得るなど容易いわ!
よっしゃあ!まずは新鮮な海の幸でも堪能して、船に乗ってアリトン大陸へレッツゴー!
「聖水って……またびしょ濡れにされちゃうんスか……」
なんかさっき通った街の門から聞き覚えのある声が……
「シェスト君!!?」
「えっ!なんでここに居るんスか!?ジャンヌさん」
……
………
…………
どうやらシェスト君も気がついたらこの大陸のこの国に居たらしい。俺が飛んで来た道のりをシェスト君は馬車で来たらしくとても羨ましい……
「なるほど………ジャンヌさんもだいたい俺と同じっスか。目覚めた場所は違うっスけど」
「うん……なんでここに居るんだろう?私たち」
1人旅も良かったけど、やっぱり1人は寂しいからシェスト君と会えて良かった
「推測なんスけど、戦争中に俺たちのことを助けてくれたセイレーンの人の魔法が原因じゃないかと思ってるっス」
あの人か!確かにあの人なんかテレポートみたいな魔法使うって言ってた!
「裏切ってる……とまでは言いません。あの場にいたロキ側の獣人は他人の魔法を暴走させることが出来るらしいっスから、あの人の魔法も暴走させられた可能性があるっス」
シェスト君頭いい!俺は「やべー、早く帰らないとなー」くらいしか考えてなかった……
「とりあえず、船乗り場に行って乗船券を買いますか」
すごい!シェスト君が居るとめっちゃ頼もしい!さすが出来る後輩キャラ!
実際には俺の方が後輩なんだけど…
……
………
…………
「アリトン大陸行きはさっき出ちゃったから1週間しないと戻ってこないよ」
「まじか……」
「まじっスか……」
俺たちの旅はまだ終わらない
就職試験が20日に決まりました。その日かその次の日のどちらか更新できないかもしれません。ごめんなさい




