中間管理職は大変だと思うけど、下も上もなんやかんや苦労してるから働きたくない
今日は週に2日の休日だ。騎士団は毎日必要とされる仕事とはいえ交代で休みはある。
休日でも暇だから街をぶらぶら歩くことしかやることがないのが悲しいことだけど……
「待って」
「ん?」
後ろから声をかけられたと思ったが、特に誰もいない
「こっちですよ」
「うわっ」
誰かに背後に回り込まれ目隠しされる。てか、この声絶対聞いたことある。
「驚きましたか?ジャンヌさん」
後ろを見ると、ここに居てはいけない人物……クレア・スペルヴィがそこに居た
……
………
…………
「い、家出…ですか?」
「はい!もう私も怒ってしまいましたよ!ファリテったら仕事しろ仕事しろとしつこいんです!あんな風だから結婚出来ないんですよ!」
うーん、王様が職務放棄っていいんだろうか?
「さすがに王が家出というのは…国家規模の危機になってしまうのでは?」
「私は何を言われても帰る気はありません!もとより王という役職は私のような小娘ではなく、もっと年配の者がやるべきなのです!私が王選定の魔法戦で勝ってしまったので仕方なくやってましたけどね」
てっきりクレア様はロリババア的なやつだと思ってたんだけど、もしかしてガチロリなのか?
「失礼ですが、クレア様は何歳なんですか?」
「私は14歳ですよ!子供が王など魔国の行く末が心配でなりませんよ」
14歳!?その若さで黒竜を一撃で葬り去る魔法とか、めっちゃ強い獣を使役する魔法を使いこなして王の仕事までしてたのか……ハイスペックすぎる……
「ず、随分とお若いですね。ところで、これからどうするんですか?」
「しばらく旅をします。傷心旅行ってやつですよ」
それは若干違うような気がするが……
「あ、そうだ!ジャンヌさん」
「なんでしょうか?」
「今日泊めてもらえませんか?」
ぶふぁっ!!ちょ、ちょっとそれは……
「い、いや私の住んでる騎士団の待機所は王族の方を泊めるられるような場所ではないですよ!」
「そんなことは気にしなくてもいいですよ!私も王になる前はただの村娘だったので!」
……
………
…………
仕方ないからエリックさんの家に来た。
「エリックさん、こちら……」
「誰じゃ?その全身ローブで隠れた子供は?」
クレア様がフードを外す
「久しぶりですね。エリックさん!」
…………。
「クレア様ぁぁあ!!?」
そうなるよね!ごめんエリックさん!
今日から学校ですよ。夏休みなんて泡沫の夢ですね(遠い目




