第3話 想像できないゲーム
登場人物 第3話
桐沢 水斗(17) きりざわ みなと・お兄ちゃん
桐沢 水伊(14) きりざわ みない・長女
桐沢 水美(12) きりざわ みなみ・次女
桐沢 水早 (9) きりざわ みなさ・末っ子
第3話
4人は歩く。イベント会場へと…
「もうそろそろか?」
水斗が聞く。
「うん!」
「イェス!」
「そうだよ!」
「ふーん。でも、こんなに近くでイベントがやるとはなー。世の中は不思議なもんだ。」
水斗が疑問に思うのも無理は無い。
ここは東京でも、全く有名ではない。
そんな場所で盛大なイベントが開かれるとは、水斗は想像もしなかった。
「え?」
「あ。」
「…うん。」
妹たちが何か不思議な反応をした。
「お前らなんか知ってんのか?」
「いやいや。」
「ナイワー。」
「そんなことないよ。」
やはり何か不思議だ。水斗はそう思った。
「まぁ、楽しめればなんでもいいや。」
水斗は自己解決。
「あー…」
「あそこだ!」
「ホントだ!」
なぜだ?
「へ?」
水斗は変な声がでた。
「おいおい。こんな所、近所にあったか?」
「う、うん。」
「あったよ、あった。」
「…賑わってるから、なんか違う感じがするんじゃないかな?」
妹たちはそう答えたので、水斗も信じることにした。
「そ、そうだな。」
イベントはとても大きい建物で開かれていた。
まるで東京ドームの様で、水斗は驚いた。
「てか、お前らって4人分、あのチケット持ってるのか?」
「そこら辺は抜かりなく、水伊が済ませました!」
「やはり、兄ちゃんよりスゴイ…」
水伊は1人1人にチケットを配った。
「しんはーどたいけんかい?」
「そう!」
「そうなのです!」
「なんか、現実世界と全く同じワールドでモンスターとかと戦えるみたいな?」
「ARってやつか?」
水斗は自信満々に答えるが否定される。
「ちょっと違うかな。テレビゲームなんだけど、ワールドが現実世界なの。」
つまり、現実世界を再現したワールドでバトルするテレビゲーム、という訳だ。
「なんか難しいな。まぁ、プレイしてみて理解するか。」
ここで水美が口をはさむ。
「そんなことより早く中に入ろうよ!」
それに続き水早が、
「うんうん!中はすごく広いと思うよ!楽しみだなー!」
そんなことを言うので、水斗も水伊も話をやめて、列に並ぶ。
「いやー!スゲー人数だな!こりゃ楽しみだぜ!」
「うん!そうだね!
うん!そうだね!
うん!そうだね!」
妹たち3人の声が揃った。
いよいよ、始まる。命を賭けたゲームが…
一体、新ハード体験会で何が起こるのか。
それはこの場にいる誰もが想像もしていない
災厄だ。