幼馴染の知らない一面①
「……あ、そういえばっ!」
「え?なに?」
考え事をしていたら…。
またもや突然香奈が思い出したように口を開いた。
「…一昨年の9月頃だったかな?営業で外出てる時に湊君見たんだよね!」
「え?なにそれ?」
香奈から発せられた言葉には理解できなかった。
香奈は二度、湊と会ったことがある。
その2回とも本当に偶然、湊が私のアパートを訪れた時で香奈とはそのどちらとも私のアパートで家飲みをしようとしていた時だった。
だけど、それ以外に香奈が湊と会っていたなんて知らず私は驚愕した。
しかも一昨年の9月頃って…。
2年近く前じゃないの!
─私は思わず、心の中でそう叫んでしまった。
「…見掛けただけだから声はかけてないけど、女の子と一緒でさ!あれは間違いなく彼女だったね!」
「え?彼女?」
湊が彼女といたと聞いて何故だか無性に興味を示してしまった。
私といる時の湊と彼女といる時の湊のことを知りたいと思ったから。
湊は私といる時はかなりの甘えん坊で必ず抱擁して来るくらいだから……それが彼女といる時にはどうなのか。
私といる時同様に抱擁はしまくるのか──。
凄く気になってしまったんだ。
「香奈、どんな感じだった?」
「は?なにが?」
「湊に決まってるでしょ!?…その彼女といる時の湊がどんな感じだったか…聞いてるの!」
「…どんな感じって…。」
私が突然、身を乗り出す勢いで尋問したもんだから香奈は驚愕していたけれど、少し考えながらも私の質問に答えてくれた。
「…クールな感じだったかな…?!…湊君からはその彼女が "好き" なのか表情では読み取れなくて…どちらかというと彼女の方が "湊君が大好き!" って感じだったよ!確か。」
香奈のそんな言葉に再度驚愕した。
──湊が…クール?なにそれ?
私といる時とは全くの正反対の湊の姿だったから。
私は… "クールな湊" なんて知らないし
見たこともなかった。
「…なんでそんなこと聞くの?」
「…違う…。」
「は?」
「全然違う!」
「なにが?」
「私といる時の湊と全然違う…!」
「え?どういうこと?」
「私といる時の湊は全然クールなんかじゃない!…どちらかというと甘えん坊な感じで私の姿を見ると必ず抱擁してくる!」
「え?それ本当?」
「本当よ!今では同居してるから1日に何回もだよ!」
「まじ?あの時見た湊君とは正反対じゃん!」
私の言葉に香奈も吃驚したのかそう声を荒げた。
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