第一話
これはわたし、篠原藍樹の処女作になります。混乱部分がほんのすこーしありますが、どうかお気になさらずに。
よければ、感想欄にてお知らせください。
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『展示中。自作ラノベ&詩!!』
是非のぞいてみてください。
災厄は愚かで自分勝手な理由で始まったゲームからだった。
「友達一人できるかなぁ~、と」
薄暗い四畳半の部屋でカタカタとパソコンを打つ音が反響する。Enterキーを押すと、周りにある外付けハードディスクなどの多種多様の電子機器が音を鳴らし、チカチカと点滅し始めた。
PCに表示された〝インベンション〟という文字。俺はその開始ウィザードプログラムをメールに添付し、送信した。
カーボンコピーでの一斉送信ではなくコンマ一秒毎に一人一人自動送信される仕組みだ。送信済みのメアドは自動的に俺のPCから跡形もなく削除され、個人情報の消去が行われる。メール自体も複数の外国サーバーも経由するので誰から届いたか相手は分からないはずだ。
「『コトネ』、『キルト』、『クリス』、『カイ』、『アイリ』、『ダイン』、『ティエ』、これから忙しいけどよろしくな」
俺の周りには誰もいない。だが、確かに人の名前を呼んだ。
「いいよ~」
「合点じゃ」
「うん」
気前よく言ったのは『コトネ』と『クリス』と『カイ』。三人ともこちらを見ていない。
「……」
なにも答えないのは『アイリ』と『ダイン』だ。『アイリ』は読書、『ダイン』は音楽を聴いていて、どちらも話を聞いていなかったようだ。
「褒美くれ! 絶対だぞ!」
テンション高めでおねだりしてきたのは『キルト』。何やら目を輝かせている。
「マスター、覚悟しといて下さいね」
やや恨めしそうな声で返事をしたのは『ティエ』。何を覚悟すればいいのだろうか。
俺は七人全員の様子を観察しながら、冷めてしまったコーヒーを飲んだ。
知らない間にかなり時間が経過していたようで、淹れ直そうかと思うほどまずい。
「マスター、私達はまだ完全ではありません。忙しくなるとは言え、アップグレートもして下さいね。それと、『キルト』の言っていた通り、給料下さい」
「分かっているよ。今度な。お前ら全員アップしようとすると時間がかかる。給料についても同じだ」
念を押してきた『ティエ』に軽く返事をしておく。彼女は不満そうに頬を膨らませているが、俺は無視した。
「さて、終わったかな?」
「おわったよ~」
『コトネ』が幼い声音で元気よく答えた。見た目の身体が小さいからか、声を張り上げているようにも聞こえる。
PCを見ると一〇〇%の文字が画面一杯に書いてあった。十万人に送信されたという合図。アナログの時計を見ると、現在時刻早朝四時ジャスト。
大幅なタイムラグもあるだろうが、早い人はメールをもう開けているだろう。
「始めるぞ」
この作品はたった一カ月で書いたものです。約ラノベ1冊分に相当する量になりますが、温かい目でご覧下さい。
Webのほうにキャラ紹介などもしてあります。